2012年

12月

09日

あすから発射予告期間 市長らPAC3視察 「しっかり対応」と信頼 北ミサイル

新港地区に配備されたPAC3。発射機を上方に向けている(8日午後)
新港地区に配備されたPAC3。発射機を上方に向けている(8日午後)

 北朝鮮が10~22日に長距離弾道ミサイル発射を予告していることを受け、中山義隆市長と市議らが8日、石垣市八島町の新港地区に展開している自衛隊の部隊と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を視察した。

 

 中山市長は「(自衛隊には)短い期間でしっかり対応してもらった。市民は安心して普通の生活を送れると思う」と部隊に全幅の信頼を寄せた。10日以降、発射が予告されている時間帯である午前7時から正午までは、中山市長をはじめ市の担当職員は市役所に常駐し、緊急事態に備える。

 

 自衛隊によると新港地区に展開している部隊は陸自、空自約570人。前回4月の配備時(400~500人)より規模が大きいが、理由など詳細は明らかにしていない。隊員は天幕を張って宿営しており、輸送用ヘリや多数の車両も配備されている。

 

 落下物を迎撃する2基のPAC3は、新港地区の外からも時おり発射機を上に向けているのが確認され「スタンバイ」状態であることをうかがわせている。

 

 中山市長と与党市議らはこの日午後、新港地区に入り、PA3の配備状況などの説明を受けた。視察後、報道陣に対し「(隊員には)『寒い時期だが、体に気をつけて任務を遂行してほしい』と話した。自衛隊はしっかり対応している。市としても万全の体制で協力したい」と述べた。

 

 配備地の入口では警察官と自衛官が検問を行っており、一般人は通行できなくなっている。この日は隣接する緑地公園で、市が主催する新石垣空港PRソングのプロモーションビデオ撮影会があったが、自衛隊の配備による影響はなかった。

2012年

12月

08日

危機管理対策本部を設置 防災無線で情報伝達 竹富町

 北朝鮮が4月に続き、今月10日から22日にかけて行う弾道ミサイル発射実験が先島諸島の上空を通過する事態に備え、竹富町(川満栄長町長)は7日、課長会議を開き、町防災危機管理対策本部を設置した。今後は関係機関との連携・協力のもとに情報収集を行い、対策に取り組む。


 町では、緊急地震速報や弾道ミサイルなどの緊急情報を瞬時に伝える総務省消防庁の全国瞬時警報システム(Jアラート)を活用し、防災無線で町民への情報提供を行う。ミサイルの発射時、ミサイルの日本上空通過時には、町内に設置された防災無線から情報が流れる。

 

 また、7日から9日までは町単独で防災無線を利用し、住民への注意喚起を行っていく。町役場では、10日から発射予定時刻の午前6時から午後1時は2人または3人で対応するほか、10日から町役場内に自衛隊員が3人体制で配備される。町内の小中学校にはいつも通り授業を行い、校外授業を自粛するよう通知する。

 

 川満町長は「町民の命と財産を守るため、情報収集と情報の提供を行っていく。町民の皆さんには防災無線をはじめ、テレビやラジオでも情報を収集してほしい」と話した。

2012年

12月

08日

「発射時は屋内退避」 危機管理対策本部で協議 石垣市

北朝鮮のミサイル発射に備え、市民の安全対策を協議した石垣市の危機管理対策本部=7日午前、市役所
北朝鮮のミサイル発射に備え、市民の安全対策を協議した石垣市の危機管理対策本部=7日午前、市役所

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験に備え、森本敏防衛相が自衛隊に破壊措置命令を発令したことを受け、石垣市の中山義隆市長は7日、危機管理対策本部の会合を市役所で開き、市民の安全対策を徹底するよう指示した。

 

 市は同日、市民に安全対策情報を発表し、前回4月の発射時と同様、発射の情報が伝えられれば、安全のため屋内に避難するよう呼び掛けた。

 

 八島町新港地区の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備地では、自衛隊の部隊が天幕を張り、宿営している。

 

 危機管理対策本部の会合後の記者会見で中山市長は、部隊の規模について防衛省側から「前回(400~500人)と同じくらい」と説明を受けたことを明らかにした。市民に対しては、防災情報の一斉配信メールに登録することなどを呼び掛けた。万一に備え、子どもの登校時には、親が同伴することが望ましいとした。


 ミサイル発射予告の影響による観光客のキャンセルは現時点ではないという。中山市長は「情報提供を行うので、安心して観光に来てほしい」と述べた。危機管理対策本部には、自衛官3人がオブザーバーとして参加した。

 

 市の発表によると、ミサイル発射時には全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じ、防災行政無線、FMいしがき、防災情報の一斉送信メールで市民に情報を伝達する。ミサイル落下の恐れがある場合も、Jアラートで緊急情報が放送される。

 

 落下物らしいものを発生した場合は、毒性が強い可能性があるため、近寄らず、警察や消防に連絡するよう呼び掛けた。

2012年

12月

07日

北ミサイル 市議会も迷惑 一般質問の日程変更

北朝鮮ミサイル対応のため、一般質問の日程変更を要請する鳩間総務部長(奥)。手前は伊良皆議長=6日午後、市役所
北朝鮮ミサイル対応のため、一般質問の日程変更を要請する鳩間総務部長(奥)。手前は伊良皆議長=6日午後、市役所

 北朝鮮が10~22日の午前中に長距離弾道ミサイル発射実験を予告していることを受け、10日から一般質問が始まる石垣市議会(伊良皆高信議長)は、一般質問の開始時間を午後に変更する方針を決めた。6日の議会運営委員会(仲間均委員長)で、市当局が「緊急事態に備えたい」と日程変更を要請した。

 

 議会事務局によると、一般質問の開始時間が午後に変更されるのは初めて。関係者からは「迷惑だ。北朝鮮に振り回されている」と嘆く声が上がっている。

 

  市議会の一般質問は通常、午前10時から始まるが、北朝鮮がミサイル発射を予告している時間(午前7時~正午)と重なる。ミサイル発射が確認された場合、万が一の被害発生に備えた情報収集などに当たる必要があり、議会対応をどうするかが課題になっていた。中山義隆市長は4日の記者会見で「市民の安全が最優先。議会とも調整し、ミサイル発射に対応できる体制を作る」と述べていた。

 

 議会運営委員会で鳩間修総務部長は「(発射予告期間は)非常に緊張感が高まる。危機管理対策本部としても十分な対応を取る必要があり(本部長である)市長の職務は非常に重要だ」と強調。一般質問が予定通り行われれば「集中して職務に当たることが難しい」と日程変更の必要性を訴えた。

 

 市議からは「市民には平常心を呼び掛けているのに、あまりにも過敏に対応することの影響はどうか」と疑問視する声も出たが、市の方針を認め、日程変更を了承した。7日の各常任委員会で全議員に説明する。

 

 当初、一般質問初日は4人の登壇が予定されていたが、午後からの一般質問を開始すると、終了が夜にずれ込む可能性があるため、1日3人ずつの登壇に変更することを決めた。このため、一般質問は当初の4日間の予定を5日間に延長する。 石垣市のほか宮古島市、南城市も危機管理対策本部を設置したことも報告された。

 

 6日からはミサイル発射に備え、陸自の連絡員が市役所で常駐の準備作業を始めた。連絡員は発射予告期間、数人が会議室で常駐し、防衛省と石垣市の連絡調整に当たる。海保、消防職員も1人ずつ、同じ場所で常駐する方向で調整している。

2012年

12月

06日

市民「配備当然」 軍事演習と反発の声も PAC3

 北朝鮮のミサイルに備え、4月に続いて地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が石垣市に配備されることについて5日、市民からは「当然」と理解を示す声が上がった。一方で「必要ない」と反対する意見もあった。


 「市民の安全は守らないといけない」。PAC3配備に賛成するのは下里雅彦さん(45)。「配備には大変なお金がかかっていると思うが、準備をすることは必要だ。前回も来ている」と配備に賛成。「自衛隊に対して否定的なのは、市民の中でも一部の人だけではないか」と指摘する。

 

 PAC3などを搭載した自衛隊の車列は市街地を通り、新港地区へ。730交差点やサザンゲートブリッジでは警戒に立つ警察官の姿も。2回目とはいえ物々しい雰囲気に驚いた市民もいたようだ。

 

 横沢信吾さん(68)は「北朝鮮のミサイルに便乗した軍事演習だ。PAC3は命中率も悪く、石垣には必要ない。自衛隊の出入りが激しくなると、隣国との友好や観光がストップする可能性がある」と懸念した。

2012年

12月

06日

PAC3 新港地区に配備 Jアラート正常に作動 陸自部隊宿営開始

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験に備え、迎撃用の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)2基が5日、海上自衛隊の輸送艦「くにさき」で石垣市に搬入され、八島町新港地区に配備された。

 

 配備は今年4月以来、8ヵ月ぶり。新港地区では陸自部隊も宿営を開始した。 中山義隆市長は「市民の生命と安心を最優先に考えている」と述べ、自衛隊に全面的に協力する考えを示した。

 

 石垣港では午後2時ごろ「くにさき」が入港し、車両約30台が陸揚げされた。装備を積んだ車両は市街地を通って新港地区に向かい、陸自部隊の展開地へ次々と入った。住民の安全を考慮し、サザンゲートブリッジでは交通規制が敷かれた。

 

 防衛省は石垣市に展開する部隊の人数や装備の詳細などを公表していない。部隊は4月と同様、天幕を張って宿営していると見られる。

 

 この日は、ミサイル発射時に自動的に情報を伝達する全国瞬時警報システム(Jアラート)の試験放送が全国一斉に行われ、石垣市の防災行政無線は修理中の1基を除き、すべて正常に作動した。Jアラートと連動したコミュニティFMの緊急放送、防災情報の一斉メール配信も正常だった。

 

 中山市長は記者会見で、北朝鮮のミサイル発射実験について「大変迷惑している。国際的にも認められないことだ。ぜひ中止してほしい」と改めて求めた。4月の発射時に政府の発表が遅れたことに関しては「今回は迅速に連絡が来るものと思っている」と述べた。市民には「情報は速やかに提供する。ふだん通りの生活をしてほしい」と重ねて呼び掛けた。

 

 防衛省は4月の発射時と同様、石垣市のほか、航空自衛隊那覇基地(那覇市)、知念分屯基地(南城市)、宮古島分屯基地(宮古島市)の県内4ヵ所にPAC3部隊を配備。人員、物資も空自の輸送機などで順次、運ぶ。ミサイルが落下した場合の災害派遣要請などに対応する部隊を与那国町、多良間村にも配備する。

 

 北朝鮮は10~22日の間に南に向けて打ち上げると予告している。

2012年

12月

04日

PAC3の再配備検討 防衛省、市に伝える 市長「市民の安全」強調

北朝鮮の弾道ミサイル発射実験通告を受け記者会見する中山市長=3日午前、市役所
北朝鮮の弾道ミサイル発射実験通告を受け記者会見する中山市長=3日午前、市役所

 北朝鮮が通告した事実上の弾道ミサイル発射実験で、ミサイルが八重山に落下する可能性があることを受け、防衛省は3日、石垣市に対し、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備を検討する方針を伝えた。決定すれば今年4月以来、8ヵ月ぶりの配備となる。

 

 PAC3を積んだ海上自衛隊の輸送艦は広島県の呉基地を出港しており、配備地は一両日中にも判明する見通し。中山義隆市長は「ミサイルが上空を通過することになるので、市民の安全のため(石垣市への)配備を優先して考えてほしい」と述べた。

 

 防衛省幹部がこの日、市役所を訪れ、PAC3の配備を検討する方針を中山市長に伝えた。これを受け中山市長は午後5時過ぎ、臨時庁議を招集し、幹部に情報を伝達した。

 

 配備が決定した場合、配備地は4月と同じ新港地区になると見られる。中山市長は報道陣に対し「しっかり対応できる体制を作りたい」と強調。市民や観光客には「情報はしっかり提供するので、混乱せず、ふだん通りにしてほしい。過剰に心配して、観光のキャンセルがないようにお願いしたい」と呼び掛けた。

 

 北朝鮮がミサイル発射実験を強行する構えを見せていることについては「人工衛星だと言うが、明らかに長距離弾道ミサイルの発射だ。やめてもらいたい。改めて抗議の意思を表明したい」と述べた。ミサイル発射実験の情報を受け、市は2日、危機管理対策本部準備室を設置した。

 

 PAC3の配備が決定すれば、ミサイルが上空に到達する可能性が高いと判断し、準備室を対策本部に切り替える。

 

 中山市長は3日発表したコメントで①政府に対し、ミサイル発射を中止させる外交努力を求める②万一に備え、市民の生命と安全の確保を最優先し、関係機関と十分な強力を構築する③市民に迅速に情報提供し、万全な対策を図る―などとする方針を示した。

2012年

4月

24日

PAC3協力に謝意 田中防衛相、3市町に 

 田中直紀防衛相は23日午前、石垣市役所で中山義隆石垣市長と会談した。北朝鮮が人工衛星と称したミサイル発射に備え、石垣市などに配備した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に関し、市の協力に感謝の意を伝えた。与那国町では外間守吉町長に対し、南西諸島の防衛力強化に向け防衛省が新設を進める沿岸監視部隊の受け入れを要請した。

 

 中山市長との会談で田中防衛相は「部隊の展開から撤収まで円滑にできた。市民の協力に感謝する。今後も国民の安全と生命財産を守る業務に努めたい」と伝えた。


 東京都の石原慎太郎知事が表明した尖閣諸島の購入方針については、会談後、記者団に「政府全体で考えること。防衛省として特に具体的なことは考えていない」と述べるにとどめた。中山市長によると、会談では話題に上らなかったという。


 中山市長は田中防衛相に「迅速な展開で、石垣にPAC3を配備していただいたことに感謝したい」と伝えた。県立八重山病院の医師不足問題も取り上げ、防衛省の医官などを派遣できないか検討を求めた。


 会談後、報道陣に対し、PAC3と自衛隊配備の関連については「ぜんぜんリンクしない」と否定した。


 田中氏は引き続き川満栄長竹富町長と会い、ミサイル発射情報の公表遅れを指摘され「検証して次に生かしたい」と釈明した。


 川満町長は会談後「国民の命を守ることは町にとっても大きな仕事。国は国防の観点から、ぜひしっかりと認識して今後とも任務を遂行してほしいと要望した」と述べた。


 田中防衛相はこのあと与那国町を訪れ、外間町長と会談した。午後には宮古島、那覇両市を訪問した。

2012年

4月

15日

自衛隊 県内撤収開始 ミサイル対処終了 PAC3は17日に

 

 北朝鮮のミサイル発射に備え、沖縄本島や石垣市などに展開した陸上自衛隊員が14日、撤収を開始した。田中直紀防衛相による「破壊措置命令」の解除を受けた措置。石垣市では同日午後、約70人の隊員がバスで野営地の八島町新港地区を出たあと、航空自衛隊の輸送機C130で石垣空港から那覇に向かった。万一の迎撃のために配備した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)は17日、輸送艦で撤収する予定。撤収の最終期限は23日となっている。

 

 防衛省によると、この日石垣市から撤収したのは部隊の本部要員、通信要員、衛星要員、特殊武器防護隊の要因など。撤収作業はヘリも利用し、15日以降も順次続く。


 那覇港では、早朝から鹿児島行きの民間定期フェリーに北熊本駐屯地の第8化学防護隊員ら約35人が乗船。救護車などの車両18台も乗せたフェリーは午前7時すぎ、ゆっくりと岸壁を離れた。


 PAC3は来週以降、海上自衛隊の輸送艦と民間定期フェリーを使い、本土の所属基地に戻す。


 田中防衛相は3月30日、自衛隊法に基づく破壊措置命令を出し、沖縄本島の2カ所、石垣島、宮古島にPAC3を配備。PAC3を運用する空自隊員のほか、救援や野営に必要な陸自隊員など、計千人近い隊員が沖縄各地に動員された。石垣市では約450人が展開した。

2012年

4月

14日

八重山に影響なし 午後、対策本部を解散

首相官邸と関係機関をつなぐエムネットの画面を見る沖縄県石垣市の中山義隆市長(右)=13日午前、石垣市役所
首相官邸と関係機関をつなぐエムネットの画面を見る沖縄県石垣市の中山義隆市長(右)=13日午前、石垣市役所

 北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射実験は13日失敗し、懸念されていたミサイル落下など、八重山への影響はなかった。ミサイルの通過コースに当たると予想されていた石垣市では、早朝から職員が待機するなど緊張感が張り詰めたが、発射失敗の報を受け、危機管理対策本部(本部長・中山義隆市長)でひとまず安全を確認。中山市長は「ほっとしている」と安堵の表情を見せた。

 


 午前7時45分ごろ、市役所に常駐している自衛隊の連絡要員2人から、中山市長に「北朝鮮のミサイルが発射された可能性がある。短距離のようだ」と連絡が入った。


 8時にはテレビがミサイル発射を速報。首相官邸からのメールを受信する「Em―Net(エムネット)」でもミサイル発射情報が届いた。Jアラート(全国瞬時警報システム)は作動しなかった。


 このあと開かれた危機管理対策本部で幹部に情報が伝達され、中山市長は「冷静に対応してほしい」と指示した。


 田中直紀防衛相のコメントとエムネットの連絡で、発射失敗が公式に確認されたのは8時半ごろ。中山市長は9時過ぎ、報道陣に対し「市民は安心して日常の生活を続けて」と呼び掛けるコメントを発表した。


 引き続き市内34カ所の防災無線と、広報車でも市民への呼び掛けが始まった。広報車では外国人観光客のため、英語でのアナウンスも行った。


 市街地近くの埋め立て地に配備され、上空に向けた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の発射機も同日午後、水平に戻った。


 国内にミサイル発射の影響がなかったことを受け、県の危機管理対策本部の解散を待って、市の同本部も午後3時に解散した。


 中山市長は「今回の職員の対応は十分だったと思う」とした上で「市民に対する情報提供の方法が有効かどうかなど、考える必要はある」と述べた。北朝鮮のミサイル発射については「強行したことは非難されるべきだ」と指摘した。


 前日に続き、市役所には全国のマスコミから報道陣が詰め掛け、ごった返した。

2012年

4月

14日

PAC3「当然」が大勢 自衛隊配備には賛否

 北朝鮮のミサイル発射に備えた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が石垣市に搬入されたことをめぐっては、石垣市民の間では「市民の命や財産を守るため当然」という空気が強かった。自衛隊の部隊や装備が新港地区に展開する光景が「異様」だという批判もあったが、市民からは「自衛隊の展開ではなく、ミサイル発射を強行した北朝鮮のほうこそ異様だ」という指摘がある。


 中山義隆市長は「ミサイルが石垣に落下する可能性は十分に考えられ、北朝鮮の発射は脅威。結果的に使用することはなかったが、PAC3の配置は正解だった」と強調した。


 ただ、八重山への自衛隊配備に対する賛否は分かれており、新川に住む45歳の女性は「万一に備えてPAC3を置くことは理解するが、自衛隊配備にはつなげてほしくない」と複雑な心情をのぞかせた。


 PAC3や部隊の展開について住民からは「石垣島へ自衛隊を配備するための地ならし」と警戒する声も出た。


 渡辺周防衛副大臣は「(石垣市への自衛隊配備は)今のところ全く考えていない」と否定。ただ、離島での有事に備え、自衛隊の実戦的な展開能力を試す意義があったことは間違いない。


 PAC3の射程距離が20キロ程度とされていることから、一部では「石垣島全域や竹富町をカバーしていない」とヒステリックなPAC3不要論も展開された。


 八重山防衛協会の砥板芳行事務局長(市議)は「PAC3の性能は最先端の軍事機密。実際の射程は公にできない。本来はもう少し広い範囲をカバーしていており、それなりの判断で本島、宮古、石垣に配置されたのだろう」と推測。
 中山市長もPAC3の配備場所については「防衛省の判断」と話した。

2012年

4月

14日

大山鳴動して鼠一匹 静かになってほしい 島に安心 広がる

 「これでひと安心」。「静かになってほしい」。北朝鮮の事実上の弾道ミサイル打ち上げ失敗で、石垣市内の学校は13日午前、「発射」「失敗」の報道が飛び交い、教職員らが確認に追われるなど一時、緊張が走った。だが、大きな混乱はなく街中も平静。「もう心配しなくてすむ」と胸をなで下ろす市民の姿も見られた。

 

 市内の小学校では登校中に打ち上げの報道。間もなく「失敗」が伝えられた。真喜良小学校(大兼和佳子校長、324人)では午前中「念のため」、グラウンドでの体育の授業は中止したものの混乱はなし。登校中の児童をテレビ局スタッフが取材するなどしていた。

 


 石垣第二中学校(宜野座安夫校長、496人)では、体育館での全体朝礼中に一報が入った。混乱をさけるため朝礼で言及はせず、宜野座校長らがテレビで情報の確認に追われた。


 「(打ち上げ予告で)学校現場に大きな影響は無かったが、これでひと安心。もうミサイル実験はやめにしてほしい」と宜野座校長。


 八重山高校(705人)では、新垣治男校長が「生徒はいつも通り。マスコミからの取材依頼も断っている。これで静かな学校生活にもどれれば」とほっとした様子だった。


 一方、石垣港離島ターミナルでは、テレビニュースに見入る観光客らの姿も。友人と西表島に向かう大杉綾さん(27)=福岡県=は「飛行機の便に影響があるか心配していた。


 みんな騒ぎ過ぎだと思う。失敗で良かった。日程通り楽しく遊べそう」と屈託がなかった。


 この日午前中、三和の畑で作業していた男性(76)は「平和な石垣島にミサイルや軍隊は似合わない。テレビで毎日、石垣島が全国中継されているが、軍服ばかり映されているようだ。私たちの暮らしは何も変わっていない。これからは穏やかで明るい、南国八重山を報道してほしい」と汗をぬぐった。

2012年

4月

14日

母親らもホッ

 北朝鮮のミサイル発射に「子どもを外で遊ばせられない」と不安を募らせていた母親たち。発射失敗の報に、安堵の声が相次いだ。


 石垣市の市川紀子さん(40)は1歳の女児を持つ。「ほっとした。子どもが外で遊びたがる時期だったが、昨日から外に出ないようにしていた。いい迷惑だった」と話した。


 4人の子どもを持つ母親の金城美香さん(27)も「ミサイルが飛んで来なかったことは良かった。近くに落ちたときに、対応できないことがあるのが不安だった」と子どもを胸に抱きしめた。


 ミサイル発射に備えたPAC3や自衛隊の配備については「何かあったときのためだから、来てもらって安心な面はあった」と理解を示した。


 市健康福祉センター内にある子どもセンターは、ミサイル発射の情報が入った場合は屋内に入ることなどを利用者の母親に指示していた。児童厚生員、小林里さん(33)は「子どもたちが普通に日常生活を送れるか不安だった」と振り返った。

2012年

4月

13日

ミサイル発射はきょう以降 発射に厳戒体制 職員は通常業務

ミサイル発射予告時刻が過ぎたあと、報道陣の質問に答える中山市長=12日午後、市役所
ミサイル発射予告時刻が過ぎたあと、報道陣の質問に答える中山市長=12日午後、市役所

 北朝鮮は12日、長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げを見送った。ミサイルが上空を通過すると見られる石垣市では厳戒体制が始まり、発射予告時間の午前中、防災服を着用して市役所に待機した中山義隆市長は「あす以降も緊張感を持ち、市民の安全を第一に、冷静に対応したい」と述べた。ミサイルが発射された場合、自動的に防災無線などを流すJアラート(全国瞬時放送システム)の装置前では、全国から約30人の報道陣が詰め掛けて陣取り、混雑した。

 

 北朝鮮が発射を予告しているのは12~16日の午前7時から正午。市役所では職員が総務課に午前6時から常駐し、情報収集に当たった。中山市長は発射予告期間中、午前中は予定を入れず待機状態。10時ごろには危機管理を担当する総務課に姿を見せ、職員と打ち合わせした。


 中山市長は防災服を着用した理由について「(ミサイルが落下した場合)着替えている暇はない」と説明。発射予告の期間中は、防災服の着用を続ける考えを示した。
 職員は落ち着いた表情で、通常通りの業務をこなした。當真政光総務課長は「市民の問い合わせには、ていねいに対応してほしい」と職員に指示した。


 Jアラートの装置が置いてある総務課周辺は報道陣でごった返し、職員や市民が遠巻きに様子を見守った。


 市役所に常駐している自衛隊の連絡要員は、専用の部屋になっている会議室から時おり出て、緊張した面持ちで市役所の外を見渡したりしていた。


 竹富町、与那国町でも職員が発射時に備えて待機した。自衛隊員がミサイル発射に備えている新港地区では、入口で交通規制が敷かれ、隊員の様子はうかがえなかった。

 

2012年

4月

13日

「観光スポット」に PAC3見ようと続々

新港地区でPAC3や部隊の配備地の方角を見る観光客(12日午後)
新港地区でPAC3や部隊の配備地の方角を見る観光客(12日午後)

 北朝鮮のミサイル発射に備え、PAC3(地対空誘導弾パトリオット)や自衛隊の部隊が展開している新港地区が「観光スポット」と化しており、観光客だけでなく地域住民も続々と訪れている。マスコミで大々的に取り上げられた効果もあり「PAC3を見てみたい」と気軽に足を運ぶ人が多いようだ。


 新港地区はサザンゲートブリッジを渡った先の人工島。橋を降りて直進すると自衛隊の野営地に向かうため、入口で警察官と自衛官が交通規制を敷いており、一般人は立ち入りできない。


 橋を降りてすぐ左手にある公園には、現在でも自由に立ち入りできる。野営地の方角には鉄条網で近づけないが、海沿いに自衛隊の装備がうっすら見える。


 熊本県から訪れた観光客の後藤智子さん(38)は「ミサイルのせいで石垣島に行けないと思っていたが、来て見ると平和で、報道とは違った。報道が過剰という気がする」といぶかった。那覇市から訪れた崎山創さん(30)は「(自衛隊には)もしものために、いてくれないと恐い」と話した。


 香川県に住む吉川修三さん(51)は「一ヵ月前から決まっていた旅行なので石垣に来たが、家族が心配している。(現状を)報告したい」と新港地区に来た理由を説明。PAC3や自衛隊の展開については「北朝鮮に、何かプレッシャーをかけないといけない。何もしないのはおかしい」と強調した。


 観光客の男性(48)は「(PAC3が)もっと近くに見えれば、緊迫感もあると思うが…」と残念そう。登野城に住む女性(35)は「ニュースでやっているから、見たいと思って来た。(ミサイルは)あまり恐いという感じはしない。被害もないと思う」と笑顔だった。


 大川に住む横山可止雄さん(64)も、テレビの報道を見て新港地区に足を運んだ。「観光地だから、自衛隊が入ってくると影響がないか心配」と懸念した。
 台湾のテレビ局も取材に訪れ、観光客に話を聞いていた。

2012年

4月

12日

きょうにもミサイル発射 「自衛隊対応に安心感」 石垣市 安全対策を再確認

中山市長の記者会見に集まった報道陣=11日午後、市役所
中山市長の記者会見に集まった報道陣=11日午後、市役所

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げが最短で12日に迫る中、ミサイルの通過コースに当たる石垣市は11日、危機管理対策本部(本部長・中山義隆市長)を開き、安全対策を再確認した。中山市長は会合後の記者会見で、自衛隊による地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備や隊員450人の展開について「しっかり対応していただいていて、安心感はある」と述べた。

 

 会合では、市役所の総務課に午前6時から、その他の部に7時から、それぞれ要員を配置し、ミサイル発射に備えることが報告された。


 ミサイルが落下する危険がある場合は、Jアラート(全国瞬時警報システム)と防災無線を通じたサイレン吹鳴で市民に周知する。その場合は、市中央運動公園や球場のサイレンも鳴らす。


 小中学校にはJアラートの個別受信機が整備されているが、幼稚園では整備されていないため、発射が確認されれば、市が全幼稚園に直接連絡し、屋内退避するよう求める。


 保育所や保育園、福祉施設にもファックスで安全対策を周知している。
 中山市長は「万が一の場合は、行政もしっかり住民に情報を伝達する。通常の生活が滞ることのないようにしてほしい」と述べ、緊張感を持って対応するよう指示した。


 記者会見で中山市長は、ミサイル発射が観光に及ぼす影響について「22日のトライアスロンも参加者のキャンセルはない。観光でのマイナスはあまり発生していない」と述べ、現時点で大きな悪影響はないという見方を示した。

2012年

4月

12日

住民平静 報道加熱 取材殺到に悲鳴も

 北朝鮮が発射するミサイルは石垣市の上空を通過すると見られているが、国などが通常の生活を送るよう呼び掛けていることもあり、住民は比較的平静。一方で渦中の島には全国のマスコミから取材陣が続々と入っており、市役所や学校などの公共機関にもマスコミからの問い合わせが殺到している。


 報道が先行して加熱する状況で、関係者からは「住民よりマスコミ対応のほうが大変」という悲鳴も上がっている。


 11日には市が地区プロパー(区長)の会議を開き、ミサイル発射に備えた安全対策などを説明した。


 プロパーの女性(45)はミサイル発射について「あまり深く考えていないが、不測の事態に備えて、国や市が安全対策を取っていることは分かる」と落ち着いた表情を見せる。


 漁業への影響を懸念する声もあるが、八重山漁協の上原亀一組合長によると、漁業者はこの日も通常通り出漁したという。「平常通りの生活を送っている。ミサイルは落ちないだろう」と強調。職員を含め、新聞やテレビ局の取材に忙殺されている状態だとし「不安をあおるのはやめてほしい」と要望した。


 各小中学校は入学式や始業式を終え、新学期がスタートしたばかり。県、市教委の通知を受け、12、13日の屋外の授業を屋内に変更するなどの安全対策を取っている。
 ただ、学校現場にもマスコミからの問い合わせが相次ぎ、学校によっては対応に苦慮し、取材を断っているケースもある。


 市観光協会は、報道の加熱が観光に与える悪影響を懸念。新城良博事務局長はミサイル発射について「コメントする立場にない」と口を閉ざし、業界がナーバスになっていることをうかがわせた。


 市役所に設置されているJアラート(全国瞬時)の装置近くには、発射時の緊急放送に備え、多数の取材陣が陣取ることが予想されるため、市は急きょ、周辺に立ち入り制限区域を設けるなどの措置を取った。


 市の関係者は「住民からの問い合わせはほとんどないのに、マスコミの問い合わせが多い。マスコミが過剰反応ではないか」と疑問を投げかけた。

2012年

4月

12日

PAC3配備撤去を 狙いは基地 平和憲法守る八重山連絡協

PAC3の即時撤去を訴える声が相次いだ平和憲法を守る八重山連絡協議会の集会(11日夜)
PAC3の即時撤去を訴える声が相次いだ平和憲法を守る八重山連絡協議会の集会(11日夜)

 北朝鮮のミサイル発射に備える地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備に反対する平和憲法を守る八重山連絡協議会主催の集会が11日夜、大浜信泉記念館で開かれ、約30人が参加した。「PAC3が配備されていることこそ、官製のテロだ」と指摘する声が上がり、PAC3の即時撤去に向けた運動を展開する方針を確認した。


 日本共産党郡委員長の石垣三雄市議は「北朝鮮のミサイル発射は本当に危険か。何の危険もないのに、なぜPAC3を配備するのか。政府の狙いは、市民を守るというより、自衛隊を配備することだ」と指摘。


 参加者からは「明日にでもPAC3を撤去してほしい」「こんなお金があるなら、東北の震災支援に回すべきだ」などという声が出た。


 地区労の宮里勝事務局長は「(PAC3に対する)反対運動が臆病になり過ぎていた」と反省。「先島への自衛隊配備を狙った一連の動きであることは間違いない。何らかの運動を起こさなくてはならない」と呼び掛けた。


 同協議会事務局長の波照間忠地区労議長は、自衛隊が野営している新港地区に仕事で入った際、ヘリやテントを目撃したことを「威圧感があった」と報告した。

2012年

4月

11日

サイレンで屋内に 市が安全対策発表 Jアラート正常

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げに備え、石垣市は10日、市民への安全対策を発表した。ミサイル発射の情報がJアラート(全国瞬時警報システム)による34カ所の防災無線やテレビ、ラはジオで放送された場合、万一に備え、なるべく屋内へ退避することなどを呼び掛けている。

 

 ミサイルに落下の恐れが発生した場合は、Jアラートの放送に続き、防災無線から1分間、サイレンを流す。その場合は速やかに屋内へ退避するよう求めている。


 北朝鮮が発射を予告している12日~16日に向け、市は11日、危機管理対策本部を開いて体制を再確認する。自衛隊との連携を密に、住民や観光客の安全確保に万全を期す考え。


 10日はJアラートの2回目の試験放送が行われ、石垣市では前回に続き動作に不具合はなく、各地の防災無線から正常にアナウンスが流れた。


 前回の試験放送では、自動起動機のパソコンに、国が送信した「攻撃対象地域 沖縄県」という文字が表示されたが、自治体から批判を受け、今回は「攻撃」の文字が削除された。

 

2012年

4月

10日

危険時は屋内退避を 防災無線でサイレン 市が安全対策確認 北朝鮮ミサイル

市民の安全対策などを確認した危機管理対策本部。自衛隊員もオブザーバーとして初参加した=9日午後、市役所
市民の安全対策などを確認した危機管理対策本部。自衛隊員もオブザーバーとして初参加した=9日午後、市役所

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げに備え、石垣市は9日、市民の安全対策を取りまとめた。ミサイルが事故などで落下する危険がある場合には、Jアラート(全国瞬時警報システム)の緊急放送に続き、市独自に防災無線でサイレンを鳴らし、屋内退避を呼び掛ける。同日の危機管理対策本部(本部長・中山義隆市長)の第4回会合で確認した。

 

 市は北朝鮮が発射を予告している12日以降、午前6時から市役所に要員を配置し、対応に当たる。発射された場合、小中学校、幼稚園、保育所などの公共施設では、屋内退避を徹底する。


 発射から通過までの時間は約10分。発射時は万一に備え、住民に対し、なるべく屋内退避するよう呼び掛ける。


 Jアラートはミサイルの発射時と通過時、また、落下の恐れがある場合に緊急放送を行い、住民に情報を提供する。市では各地の防災無線とFMいしがきで放送が流れる。


 5日に行われたJアラートの試験放送で、県内の一部自治体で不具合があったことを受け、10日も午後1時と1時半から試験放送が行われる。


 市役所に常駐している陸上、航空自衛隊の隊員は、発射情報を入手した時点で、市長に伝達する。


 新港地区に展開している部隊は発射の約15分後から、落下物などがないかヘリで偵察する。被害があった場合は県知事や市長の要請に基づき、部隊を災害派遣し、被災者の救助などに当たる方針。


 危機管理対策本部の会合にはこの日から、陸上、航空自衛隊の隊員2人がオブザーバーとして同席。空自の担当者は「(北朝鮮が予告した)12日に向けて準備を進めている。懸念事項は一切ない」と強調した。


 中山市長は、北朝鮮が発射を予告した期日が迫っていることを挙げ、市民への情報提供に努めることなどを指示した。11日に次回会合を開いて準備体制を再確認する。

2012年

4月

08日

PAC3対応に自信 防衛副大臣 「最善準備を」

 渡辺周防衛副大臣は7日、長距離弾道ミサイル発射実験とみられる北朝鮮の「衛星」打ち上げに備え、沖縄と首都圏に配備している地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に関し「作動しないことが一番だが、繰り返し訓練しており、何があっても対応できる」と自信を示した。新港地区に配備されたPAC3の視察後、記者団に語った。


 また、隊員に対し、発射と同時に、正確な情報が自治体に対し瞬時に伝わるように指示したことを明らかにした。


 自衛隊の展開に不安を持つ住民がいるとの指摘に対しては「自衛隊の施設の外に、これだけ大規模に展開するのは初めて。物々しいことに驚く人もいると思うが、国土を防衛するという意味でご理解いただきたい」と求めた。


 任務に当たる隊員に対しては「先島諸島を守るのは自衛隊しかいない。重く受け止めて職務に専念してほしい」と呼び掛けた。

2012年

4月

07日

渡辺副大臣「最善尽くす」 きょう PAC3視察

 市役所に常駐する自衛隊の連絡要員を激励する渡辺副大臣(右)=6日午後
 市役所に常駐する自衛隊の連絡要員を激励する渡辺副大臣(右)=6日午後

 渡辺周防衛副大臣は6日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験とみられる「衛星」打ち上げに備えた自衛隊の展開状況を視察するため来県し、石垣市と与那国町を訪れた。漢那政弘副市長、竹富町の川満栄長町長と面会した渡辺副大臣は「最善を尽くして不測の事態に備える」と強調した。7日には、PAC3を配置した石垣島と宮古島、陸上自衛隊ヘリコプター救援隊が待機する与那国島の展開先をそれぞれ視察する予定だ。

 

 

 市役所では中山義隆市長が出張中のため、漢那副市長が対応した。渡辺副大臣は、PAC3や部隊配備への協力に感謝の意を伝えた。町役場では、川満町長から「住民の命が最優先。安全を確保してほしい」と要望を受けた。


 渡辺副大臣は報道陣の質問に答え「北朝鮮に対し、外交努力で発射しないことを働きかけているが、あの国のことなので、発射することを念頭に対応しないといけない」と述べ、北朝鮮はミサイルを発射するとの見通しを示した。


 沖縄への部隊展開が大規模過ぎるとの一部批判に対しては「ミッションが終われば、ただちに撤収する。決して加重ではない」と指摘。3市町に連絡要員を常駐させたことについては「住民から要望があれば、ただちに対応できるよう意思疎通したい」と説明した。


 防衛省が陸上自衛隊員に実弾を装てんした小銃などを携行させることについて「事実です。当然携行しないといけない」と述べた。


 那覇市の航空自衛隊那覇基地で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備状況を確認、万一の場合を想定した迎撃態勢に万全を期す考え。

2012年

4月

07日

自衛隊隊員が常駐開始 3市町との連絡調整

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げに備え、防衛省は6日から、石垣市役所と竹富町役場に陸上、航空自衛隊の隊員を連絡要員として常駐させた。与那国町には5日、ミサイル破片などの落下に備え、救護活動を行う自衛隊の救援隊約50人が入り、同日から町役場に連絡要員が常駐している。


 常駐要員は市役所7人、竹富町、与那国町役場各2人。竹富町役場の常駐要員は12日から3人体制になる予定。自衛隊と3市町との連絡調整に当たる。


 3市町はそれぞれ、役所、役場の会議室などに隊員のための常駐スペースを確保している。


 石垣市の八島町新港地区に配備されたPAC3は6日朝から、2機が発射機を上空に向けた状態が確認された。航空自衛隊那覇基地の広報は報道陣に対し「指示された期間(北朝鮮がミサイルを発射する12~16日)に間に合うよう準備を進めている」と述べた。

2012年

4月

06日

PAC3 新港地区に搬入 ミサイル迎撃態勢へ 交通規制混乱なし

輸送艦「くにさき」から陸揚げされたPAC3=5日午前、石垣港
輸送艦「くにさき」から陸揚げされたPAC3=5日午前、石垣港

 

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げに備え、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が5日、輸送艦「くにさき」で石垣市に到着。八島町の新港地区に配備された。PAC3が石垣市に搬入されたのは初めて。北朝鮮のミサイルが軌道を外れ、落下する危険性が迫った場合に迎撃態勢を取る。自衛隊関係者によると、隊員約450人や関連装備の展開も順調に進んでおり、北朝鮮がミサイル発射を予告している12~16日に向け、万全の体制で臨む構え。

 

 輸送艦「くにさき」は午前7時ごろ、石垣港に入港。約2時間かけ、PAC3の発射機2機、レーダー、電源車などの関連装備を積載した車両32台が次々と陸揚げされた。
 車両はそのまま目抜き通りの730交差点を通り、新港地区に向かった。


 経路のサザンゲートブリッジでは約2時間の交通規制が行われたが、大きな混乱はなく、午前9時半ごろまでにはすべての車両が新港地区に入った。730交差点にも警察官が配置され、交通整理に当たった。


 輸送艦に乗船していた空自の隊員約100人も、新港地区で先に野営している部隊と合流した。


 自衛隊がチャーターした民間の貨物船も午前8時過ぎ、新港地区に接岸し、陸自の車両約100台が自衛隊の野営地に搬入された。


 新港地区では午前中でPAC3の発射機とレーダーが配備された。発射機が時おり上空に向けられるなど、動作確認の作業が進んでいる模様だ。周辺には関連装備の車両や、隊員が野営する天幕なども確認できる。


 PAC3を操作する空自、後方支援に当たる陸自の連携構築も含め、11日まで諸準備が行われる予定。北朝鮮が予告した12日以降は「臨戦態勢」に入る。


 新港地区のPAC3配備地周辺では自衛隊の任務完了まで、八重山署と市による交通規制が行われる。

 6日には、中山義隆市長がPAC3を視察する予定。

2012年

4月

06日

離島防衛強化へ 自衛隊 展開能力試される

 【解説】PAC3が石垣市に初めて配備された。自衛隊基地がある沖縄本島に比べ、離島防衛はこれまで手薄とされており、北朝鮮のミサイル発射予告を受け、自衛隊の離島での展開能力が本格的に試される形だ。現在のところ、450人規模の部隊や関連装備の配備も順調に進んでおり、離島防衛の強化が着々と進む印象を与えている。


 八重山防衛協会事務局長の砥板芳行市議は「新しい防衛大綱で『動的防衛力』が打ち出されたが、そういった観点からも、スムーズに部隊配置が進んだことは大きい」と評価。


 配備検討から1カ月足らずでのスピーディな部隊展開が可能になったことに、航空自衛隊那覇基地の広報担当は「地元の理解と関係機関の協力があって、安全にトラブルなく展開できた」と感謝した。


 砥板市議は「北朝鮮の位置関係からすると、ミサイルを撃つなら南の方向が最適。今後もこの方向で発射実験を行う可能性がある」と懸念。同様の危機続発に備え、今回の部隊展開は離島防衛の強化に向けたモデルケースになりそうだ。


 軍備増強への批判や、飛来するミサイルを迎撃するシステムの現実性そのものを疑問視する声もある。しかし、発端は八重山上空に向けてミサイルを発射するという北朝鮮の「挑発行為」。ミサイルが軌道を外れた場合、地上に危害が及ぶ可能性も無視できず、住民の間では、配備を当然視する空気が強い。


 宮古島市ではPAC3の到着日に住民の抗議集会が開かれたが、石垣市の配備反対派は、抗議声明を発表したほかは、表立った運動を控えている。

2012年

4月

06日

識者談 「最悪の事態に備える当然の措置」 拓殖大客員教授 惠隆之介氏

 PAC3が石垣市に配備されるのは初めてだが、最悪の事態に備える当然の措置だ。沖縄では有事に対する備えがしっかりしていない。海外では避難用のシェルターもある。万一の場合には遮蔽物の下に隠れるなどの対応も必要だ。


 これを機会に軍事的な危機だけでなく、石垣島に対する補給が途絶える状況とか、災害にも備えた危機管理を確立するべきだ。


 今回の部隊配備を起点にして、コンパクトでバランスの取れた離島防衛を目指すべき。(尖閣諸島問題をめぐり)周辺では中国が着々と既成事実を積み上げている。国家の強い意思を示さないと、主権を守ることができない。


 北朝鮮が(石垣島の上空を通過する)コースで発射実験を行うことには、日本に対する威嚇もあると思う。沖縄本島に向けると在日米軍があり、混乱を招くから、南のほうに軌道をずらし、ファジー(あいまい)にしている。計算ずくだ。

 

2012年

4月

06日

「やりすぎ」の批判も 先島諸島に陸自展開

 防衛省は北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射に備え、万一の場合の迎撃態勢を整備する一方、沖縄県の石垣島(石垣市)など先島諸島に計約400人の陸上自衛隊員を派遣する。見慣れない迷彩服に違和感を抱く市民も。部隊の常駐に向けた〝地ならし〟の狙いがあり、身内からも「やりすぎ」との批判が出ている。


 市街地と橋で結ばれた埋め立て地の石垣港新港地区。真っ青な海に囲まれた広大な敷地に4日、陸自のCH47ヘリコプターが砂煙を上げて着陸した。立ち入りが制限されるゲートからは約100張りの隊員宿泊用テントも見える。地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備される前の3日から、計約320人の陸自隊員が順次現地入りした。


 北朝鮮の予告では、石垣島付近の上空が飛行ルートとされ、陸自はPAC3自体の警備だけでなく、落下した場合の救援活動を展開する拠点と位置付ける。ヘリ4機や化学防護車も用意する。


 さらに周辺の宮古島(宮古島市)と与那国島(与那国町)にもそれぞれ、ヘリ1機と約40人の隊員を配備。この3市町と竹富町、多良間村の各役場には連絡要員の自衛官も派遣する方針だ。


 陸自部隊のいない先島諸島での部隊配備に、ある幹部は「南西諸島の防衛強化を進め、存在感を示すチャンスだ」と本音を口にする。


 政府が2010年末に決定した防衛計画の大綱では、対中国を意識した南西諸島の防衛態勢強化を明記。防衛省は与那国島への沿岸監視部隊を新設するほか、石垣島や宮古島に普通科部隊を配備する方針を打ち出している。


 一方、前例のない陸自部隊の展開に、石垣市の幹部は「市民は迷彩服や自衛隊車両に違和感を持っている。ただ、北朝鮮の発射という現実があり、単に反対とは言えない」と当惑した様子。


 北朝鮮の動きに合わせた陸自の対応に、制服組幹部はこう指摘する。「今回の配備はミサイル対応ではなく、南西強化の政策推進だろう。与那国島に被害が出る確率がどれだけあるのか。やりすぎととられかねない」

2012年

4月

06日

緊張感高まる 期待や懸念の声 PAC3配備

新港地区入口で交通規制する警察官(5日午後)
新港地区入口で交通規制する警察官(5日午後)

 PAC3の搬入で、配備地の八島町新港地区では交通規制が始まるなど、緊張感が一気に高まっている。住民からは北朝鮮のミサイル発射に備え、万全の態勢を望む声が出た一方、市民生活への影響を懸念する意見もあった。


 サザンゲートブリッジ近くで、PAC3の搬入を見守った市議の内野篤さん(44)は「自衛隊員を激励に来た」と話す。「市民の生命、財産を守るために配備してもらった。自衛隊を頼もしく感じる」と期待した。


 730交差点近くで通過していく自衛隊の車両を見た男性(60)は「交通規制で市民生活に影響が出ており、軍事優先の生活になっている。これがエスカレートすると大変な時代になる」と危ぐ。「北朝鮮がミサイルを発射しないよう、外交交渉で平和的解決をしてほしい」と要望した。


 PAC3輸送などには、全国から約30人の報道陣が詰めかけ、物々しい雰囲気が漂った。

2012年

4月

06日

FMいしがき 試験警報 発信 Jアラートシステムで ミサイルに備え

警報発信中を示す赤いランプが点灯。Jアラートシステムをチェックする大田さん=FMいしがきサンサンラジオ=大川、午前11時30分。
警報発信中を示す赤いランプが点灯。Jアラートシステムをチェックする大田さん=FMいしがきサンサンラジオ=大川、午前11時30分。

 北朝鮮のミサイルと見られる「衛星」打ち上げ予告を受け、FMいしがき(76・1㍋㌹)は5日午前、警報システム「Jアラート」の試験放送を2回実施、発射に備えた。石垣市を含め県内26市町村を対象に放送メディアなどでメッセージが流された。

 

 全国瞬時警報システム「Jアラート」は、通信衛星を利用。消防庁(東京)から石垣市役所を経て、オンラインで、FMいしがきから情報発信する。この日午前中2回、合成された男性の声で「これは試験放送です」とのメッセージが3回繰り返された。


 市内36カ所の防災無線でも同時に、試験放送が流された。市によると、システムの試験放送は2011年4月の導入以来、初めて。「いしがき」によると、実際にミサイルが発射された際のメッセージは公表されていないという。


 FMいしがきの大田守雄本部長は「発射予定日は通常番組の中で、緊急情報に対応する。石垣市と連携を密にして、早く的確な情報を市民に伝えていきたい」と話す。試験放送前、番組内でPAC3部隊の石垣島上陸も生中継した。


 北朝鮮は、12から16日の午前7時~正午の「衛星」発射を予告。ミサイルの2段目が石垣島上空付近を通過すると見られている。

2012年

4月

05日

PAC3きょう石垣到着 サザンゲート交通規制 車両も新港地区搬入

バスで新港地区に入る自衛隊員たち(4日午後)
バスで新港地区に入る自衛隊員たち(4日午後)

 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験と見られる「衛星」打ち上げに備え、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が5日、石垣市の八島町新港地区に配備される。PAC3を積載した輸送艦「くにさき」は同日朝、石垣港に入港。PAC3は車両で新港地区に運ばれる予定で、午前7時半から9時半まで、経路のサザンゲートブリッジでは交通規制が行われる。車両を積載した自衛隊のチャーター船も同日朝、新港地区に接岸を予定している。

   

 陸上、航空自衛隊の部隊は4日も輸送機で続々石垣入り。PAC3が配備される新港地区で、先に野営している部隊と合流した。


 陸自第51普通科連隊長の中西信人一等陸佐や防衛省の国民保護担当者らはこの日、市役所に中山義隆市長を表敬訪問し、PAC3配備に改めて協力を要請した。


 面会後、中山市長は「市民の安全が最優先。連携を密にしたい」とした上で「市民生活に支障がないようにしてほしい」と要望した。


 PAC3の配備後は、自衛隊側の協力を得て、現地を視察したい考えも示した。
 中西一等陸佐は「市の協力はありがたい。市民、国民の安全のためということで、市とわれわれの立場が同じだと確認できた」と述べた。


 PAC3は「くにさき」から降ろされたあと、そのまま新港地区に搬入されると見られる。交通規制について市は「市民の皆さまにはご迷惑をお掛けしますが、ご理解くださるようお願いいたします」と協力を求めるコメントを出した。


 新港地区に入るチャーター船に積載される車両数は明らかではないが、防衛省は市に車両140台を配備する方針を示している。


 新港地区では自衛隊のヘリが常駐しているほか、ゲート内側には、隊員が常駐できるプレハブが設置され、人や物資の出入りを統制。PAC3配備に向け、徐々に緊張感が高まっている。