2015年

9月

15日

中秋の名月である…

 中秋の名月である旧暦8月13日の今月25日、「とぅばらーま大会」が開かれる。石垣島の方言で、切ない思いが夜空に歌い上げられる。伝統文化である方言継承も大会の重要な目的の一つだ◆しかし最近「歌詞の部」の応募作を見ると、石垣島の方言と沖縄本島の方言(ウチナーグチ)が混同されている例が多く見られるという◆マスコミで方言の復興が叫ばれているが、宣伝される機会が多いのはほとんどがウチナーグチで、八重山の住民でさえウチナーグチと地元の方言の区別がつかなくなっているのだ。関係者は「ウチナーグチが八重山の島言葉を侵食している」と嘆く◆沖縄の人々は方言に対して複雑な意識を抱いてきた。方言を使った者が罰としてぶら下げたという「方言札」のエピソードが示すように、戦前、戦中は標準語が奨励され、方言は排除すべきものとされた。方言しか使えない沖縄人は本土で差別を受け、飲食店への出入りを禁止されたり、軍隊でいじめにも遭った◆実際には、沖縄方言は言語学的に日本語の一種であることが判明している。しかし、それを強調するまでもなく、方言とは日本文化の多様性を示す国民の貴重な財産だ。現在、八重山の方言は消滅寸前だが、それは八重山だけでなく、日本全体の損失でもある。