2016年

8月

30日

「大統領が町長に」…

 「大統領が町長に」。竹富町長選の結果が伝えられると、関係者からこんな言葉が飛んだ。「西表島の大統領」の異名を持つ西大舛高旬氏の初当選である◆八重山でも政治家の世代交代が進み、最近はドライな考え方を持つ若い政治家が多いが、西大舛氏は「義理と人情」を重んじる世代の68歳。町議会の最多当選者で、大浜長照元石垣市長、大盛武元竹富町長と同年齢、むしろ旧世代に属する。八重山を代表する政治家を輩出した世代の最後の一人が、真打ち登場のようにようやく表舞台に躍り出た◆町議の経験が長いが、初挑戦時には落選の苦杯もなめた。のちに実力者になったあと、落選の経験が人間の幅を広げたと自認する◆事あるごとに「自民党」を強調する保守派で、携帯電話の着メロが「君が代」なのは有名だ。歯に衣着せぬ物言いと地鳴りのような声が他人を驚かせることもしばしば◆町民の人気が高かった川満町政だが、相次ぐ職員の不祥事、先の見えない議会との対立が停滞感を招いた。破天荒な西大舛氏に町民の期待が集まり、現職優位の下馬評を覆した◆米大統領候補2人も西大舛氏と同世代である。混迷の時代には若さより、経験や実績といったベテラン力が求められるようだ。「大統領町長」の新たな船出に期待したい。