黒潮生物研究所 酢酸注射でオニヒトデ駆除 意見交換会で報告

酢酸の注射によるオニヒトデ駆除の様子(黒潮生物研究所ホームページより)
酢酸の注射によるオニヒトデ駆除の様子(黒潮生物研究所ホームページより)

 サンゴ礁を食害するオニヒトデに酢酸を注射して駆除する方法についての意見交換会が11日夜、環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで開かれた。注射による駆除法を開発した1人で、財団法人黒潮生物研究所所長の岩瀬文人さんが、駆除マニュアルを紹介した。

 

 

 八重山では従来、海中のオニヒトデを直接取り、陸上に運んで処分する方法が一般的だった。


 同研究所は2009年から岡山理科大との共同研究で薬剤注射による駆除の確立を目指して四国で試験を行ってきた。現在、ホームページなどでマニュアルを公開している。他の方法に比べ、少人数で実行でき効率が良いことや、刺傷の危険が少ないことなどのメリットがある。


 原液として90%の酢酸を使うときには、5~6倍に希釈し、30㌢程度のオニヒトデであれば1匹につき4ヵ所、計10cc程度注射する。注射を受けたオニヒトデは徐々に弱まり、108時間後にはほとんどの個体が完全に死ぬという。


 注射した個体と、そうでない個体の見分けがつかないことや、海中にオニヒトデの死体が放置されるというデメリットも指摘されている。


 意見交換会にはダイビング業者など約40人が参加。岩瀬さんは「どんな場合でも酢酸で駆除すればいいのではなく、駆除方法が1つ増えたと思えばいい」と述べ、状況に応じて、他の駆除方法と併用することを勧めた。


 参加者からは「死体を放置すると危ない。1ヵ所にまとめてほしい」と指摘があり、岩瀬さんは「それぞれの事情に合わせて工夫すればいい」と述べた。