中山市政折り返し 市議会 相次ぐ与党離脱 背景に世代間抗争も

 石垣市議会で、中山義隆市長(44)を支える与党から離脱する議員が相次いでいる。背景には市政への影響力行使を図るベテラン議員と、反発する若 手議員との確執も取り沙汰されている。中山市長就任と同じ2年前、市議選で圧倒的な「数の優位」を確保したはずの与党だが、気がつけば過半数割れ。中山市 政の基盤にも影響が出かねない状況だ。


 ▽与党に異変
 「危ない橋も渡り、敵を作りながらも、市政発展のために歩みをともにしてきたつもりだが、市長の考えていることが分からない」


 中山市長の任期折り返し点となる3月議会に、異変が起きた。19日の一般質問で石垣亨氏(49)が与党離脱を表明。仲間均氏(62)に続き、議会中に2人が相次いで中山市政に「反旗」を翻す異例の事態になった。


 関係者によると与党の自民党石垣支部内では、ベテラン議員を中心に、人事や公共事業のあり方をめぐり「市政に対する要求を聞き入れてもらえない」と、市長に対する不満が広がっているという。


 石垣氏は市議会で「市長の顔はJC(八重山青年会議所)と八重山維新の会しか向いていない」と、市長と関係が深いと言われる2団体を名指し。与党が冷遇されているという憤りを言外に示した。


 仲間氏は与党で最長老、石垣氏は市議時代の中山市長と同期だが年齢的には先輩格。こうしたベテラン議員は市長より豊富な政治的経験があり、市長とは微妙な距離感があるとされる。


 仲間氏は中山市長について「われわれの時代の人間と、今の若い人の考えは違う。市長は思いやりと感謝の心が足りない。いつまでも票があると思ってはいけない」と述べ、辛らつにくぎを刺した。


 一方、2年前の市議選で初当選した若手は、市長と同期生か後輩で、市長との一体感は比較的強い。


 関係者によると、若手議員の多くは、市政に影響力を発揮しようとするベテラン議員に対し「政治的な駆け引きをしている」と反発を強めているという。
 若手議員の1人は、石垣氏が一般質問で与党離脱を表明したことに「議会であんなことを言うのはおかしい。われわれは、どんなことがあっても中山市長を支える」と明言した。


 自民党が2人の公認を立てた6月の県議選でも、若手議員の多くが大浜一郎氏、ベテラン議員の多くが砂川利勝氏の支持に色分けされた。分裂の背景には、こうした世代間抗争の構図も見え隠れする。


 ▽コミュニケーション不足
 与党離脱が相次いでいる要因には、市長と与党のコミュニケーション不足も大きい。今議会に提案された石垣牛大バーベキュー大会の赤字補てんでは、若手も含め「予算計上に事前の相談がない」と不満が爆発した。


 与党は全員に大会のチケット販売を割り当てるなど、大会成功に最大限協力してきた経緯がある。関係者は「ベテラン議員は、あれで『切れた』のではないか」と見る。


 かつて13人いた与党議員だが、仲間氏と石垣氏が中立を表明したため、新勢力図は与党11、野党7、中立4になった。


 採決に加わらない伊良皆高信議長や、県議選出馬のため辞職する砂川氏を除くと、与党は9人に減る。中立の4人にキャスティングボートが移り、中山市政が不安定化する恐れも出てきた。


 中山市長は20日、取材に対し「与党といえども、いろいろな意見があり、時には不協和音もある」と認め「市民の生活を良くする政策であれば、賛同してもらえる。一つひとつの案件を説明しながら理解を求めたい」と強調した。   (仲新城誠)

 

市議会での表決で起立する与党議員(昨年12月)
市議会での表決で起立する与党議員(昨年12月)