
第3セクターのまちづくり会社「タウンマネージメント石垣」が運営するあやぱにキッズ保育園は、東日本大震災の犠牲者の9割が溺死だったことを教訓に、津波対策として震災後に開発された幼児用ライフジャケットを導入した。
保育園を運営するタウンマネージメント石垣の西村亮一さんは、震災後、子どもへの津波対策について考えてきた。「避難訓練は定期的に実施しているが、どうやって逃げるのかを考え、浮くことによって生存の確率は高くなると思い、導入を決めた」と話した。
保育園が導入したライフジャケットは、アウトドアメーカーのモンベル社が開発した「浮くっしょん」。85センチ以上(2歳児程度)の幼児から着用可能で、4・5歳児であれば子ども自身で着衣ができる。腹部に浮力を高め、うつ伏せになりにくい構造となっている。
また身近に常備できるように、普段はクッションとしても使用できる。
現在、保育園には0歳児から5歳児までの22人の子どもがおり、ライフジャケットは幼児用25人分、大人用5人分を導入した。
西村さんは「備えとしてはいいものだと思う。市内の他の保育園や幼稚園にも対策が拡がれば」と期待した。