住民平静 報道加熱 取材殺到に悲鳴も

 北朝鮮が発射するミサイルは石垣市の上空を通過すると見られているが、国などが通常の生活を送るよう呼び掛けていることもあり、住民は比較的平静。一方で渦中の島には全国のマスコミから取材陣が続々と入っており、市役所や学校などの公共機関にもマスコミからの問い合わせが殺到している。


 報道が先行して加熱する状況で、関係者からは「住民よりマスコミ対応のほうが大変」という悲鳴も上がっている。


 11日には市が地区プロパー(区長)の会議を開き、ミサイル発射に備えた安全対策などを説明した。


 プロパーの女性(45)はミサイル発射について「あまり深く考えていないが、不測の事態に備えて、国や市が安全対策を取っていることは分かる」と落ち着いた表情を見せる。


 漁業への影響を懸念する声もあるが、八重山漁協の上原亀一組合長によると、漁業者はこの日も通常通り出漁したという。「平常通りの生活を送っている。ミサイルは落ちないだろう」と強調。職員を含め、新聞やテレビ局の取材に忙殺されている状態だとし「不安をあおるのはやめてほしい」と要望した。


 各小中学校は入学式や始業式を終え、新学期がスタートしたばかり。県、市教委の通知を受け、12、13日の屋外の授業を屋内に変更するなどの安全対策を取っている。
 ただ、学校現場にもマスコミからの問い合わせが相次ぎ、学校によっては対応に苦慮し、取材を断っているケースもある。


 市観光協会は、報道の加熱が観光に与える悪影響を懸念。新城良博事務局長はミサイル発射について「コメントする立場にない」と口を閉ざし、業界がナーバスになっていることをうかがわせた。


 市役所に設置されているJアラート(全国瞬時)の装置近くには、発射時の緊急放送に備え、多数の取材陣が陣取ることが予想されるため、市は急きょ、周辺に立ち入り制限区域を設けるなどの措置を取った。


 市の関係者は「住民からの問い合わせはほとんどないのに、マスコミの問い合わせが多い。マスコミが過剰反応ではないか」と疑問を投げかけた。