避難経路や時間再確認 住民1700人参加 全域対象、初の訓練

自衛隊員と市民が協力し、救援物資を屋内練習場に搬入する訓練を行った(29日午前)
自衛隊員と市民が協力し、救援物資を屋内練習場に搬入する訓練を行った(29日午前)

 石垣市民防災週間(24~30日)に合わせて、大規模な地震と津波襲来を想定した市主催の防災訓練が29日行われた。市内全域を対象とした初の訓練で、断続的に激しい雨が降る悪天候にもかかわらず、約1700人の市民が参加。防災無線などを合図に、各地域の避難所に集まり、避難経路や時間を確認した。市の災害対策本部が設置された屋内練習場では、婦人会や自衛隊などが炊き出し訓練を行った。中山義隆市長は「避難訓練は回数をこなして慣れるしかない。(市民防災週間に)毎年実施する」と改めて防災意識の高揚を呼び掛けた。

 

 訓練では、午前10時に震度6の地震が発生したと想定。3分後には沖縄気象台から八重山地方に大津波警報が発令され、市は防災無線や市中央運動公園のスピーカーなどで住民に避難を呼び掛けた。


 各地の避難場所には、続々と地域住民が集まった。市総務課によると、最も避難者が多かったのは大浜中の339人で、ほかに石垣小248人、石垣中199人、平真小150人、八重農120人―など。市街地から離れた北部地区などの避難所にも避難者が集まった。


 市職員は自らが住む地域の避難所に避難したあと、災害対策本部がある屋内練習場に招集され、206人が集まった。


 各地の避難所で名簿に名前を記入したのは1657人。市によると、名前を記入しなかった市民もおり、実際の参加者総数はさらに増えると見られる。
 津波や地震襲来を知らせる市の緊急情報メールは、登録した1737人が一斉配信を受けた。

 災害対策本部には本部長の中山市長や各部長らが集まり、各避難所の状況報告を受けた。


 中山市長の要請で陸上自衛隊第15旅団(那覇市)が災害派遣されたと想定。隊員は大型トラックで救援物資約100箱を屋内練習場に運び、市民とともに搬入した。また、市婦人連合会、女性防火クラブと協力し、約300食のカレーを炊き出し、訓練参加者に配布した。


 北部の明石地区が孤立したと想定し、陸自の輸送ヘリCH47が住民を市中央運動公園に運ぶ予定だったが、悪天候のため中止された。


 3人の子どもと妻を連れて屋内練習場に避難した市職員の本原弘也さん(38)=平得=は「家から避難場所まで5分程度だと思っていたが、実際には10分かかった。いざという時に備えて、いい機会になった」と話した。