問題のすり替え? 感情論より法律論で 早朝講座問題

 県立高校で、教員が県教育委員会の許可を得ず早朝講座などでPTAから報酬を受け取るのは不適切とされる問題が表面化しているなか、八重山高校PTAは20日、2012年度総会で、早朝講座の報酬を含んだ進路指導予算を承認した。同校で実施されている早朝講座は文部省の通知で示された不適切な事例には該当しないというのが、学校側の見解だ。


 この問題は、3月9日に自民党の義家弘介氏が参院決算委員会で取り上げたことで表面化。文部科学省が沖縄県教育委員会などに実態調査を指示した結果、県内の75パーセントの高校で早朝講座の報酬受領が行われていたことが明るみになった。


 公立学校の教員は職務の性質上、「時間外」の認定が難しい。そのため、月給に4%上乗せする手当てが支払われている。時間外手当の代わりだ。


 この問題で最も注目しなければならないのは、同様の行為が公務員の「兼職・兼業」に当たる可能性があるということ。文科省は9日、こうした行為を「不適切」として全国の教育委員会に通知している。


 八重山では、問題が「早朝講座の是非」にすり替わっている感が否めない。PTAが子どもたちに多くの学習の場を提供する行為に賛成する気持ちは当然のことで、通学する学校の教員が担当するのであれば、積極的に早朝講座を願い出ることに問題は感じない。


 しかし、教員が職務と紛らわしい早朝講座により無許可で謝礼を受け取ることは「不適切」と文科省は表現している。要するに違法であるということ。八重高のケースについても十分な検証がないまま「目くじらを立てるな。問題を大きくするな」という意見がPTAにもある。


 「この問題は自民党国会議員が教科書問題の仕返しのために、県教育委員会を標的にしたもの。政治的な行為で、それをまともに受けてはいけない」などと、記者に詰め寄る市民もいたが、感情論で判断するべきでないとの意見も少なからずある。

 

 注意しなければならないのは違法か適法かということだ。親の気持ちや教員の都合を問題に持ち込んでは、争点がぼけてしまう。公務員がサイドビジネスで収入を得ることが法に触れることは、誰でも知っていることで、教員もその公務員である。


 八重高の場合、早朝講座の年間総額が640万円にもなる。大金を不適切に受領していた可能性があるにもかかわらず、率直な反省の言葉を聞いたことはない。他の行政機関ならば大問題となっていても不思議ではない。


 八重高PTAでは、「講座の在り方検討委員会」を発足させて指針を作成。県教育委員会の方針にのっとった方法で今後も早朝講座を継続するよう求めている。県教育委員会の指導により現在、教員は謝礼を受け取っていないというが、「兼職兼業願い」が受理されれば、謝礼を受け取っていない期間にさかのぼり、謝礼金を受け取る方針だという。


 一連の問題について「市民感覚からかけ離れている」と話した女性の言葉が記者には印象的だ。                                      (大城智芳)