「地域医療は文化」 シンポで独法化懸念

地域医療をテーマに開かれたシンポジウムで意見交換するパネリスト(26日午後)
地域医療をテーマに開かれたシンポジウムで意見交換するパネリスト(26日午後)

 県立病院の独立行政法人化の是非などを論議する「地域医療シンポジウム」(主催・沖縄の地域医療を守る対策本部)が26日、石垣市内のホテルで開かれた。香川県の高松市病院事業管理者、塩谷泰一氏が基調講演。「医療は地域にとって大切な文化。医療を病院の職員だけに押し付けるのではなく、文化の担い手として、皆さんも責任を持って」と、住民も地域医療のあり方を考えるよう呼び掛けた。県立病院の独立行政法人化にも懸念を示した。

 

 塩谷氏は香川県の坂出市立病院長として、赤字続きだった同病院の経営を抜本的に改善した。


 基調講演で塩谷氏は「離島や山間へき地の病院を独法化したら絶対だめだ。(県立病院と違い)独立行政法人の職員は『県民のために一生懸命やりなさい』とは法律に定められていない。これは独法化の致命的な欠陥だ」と主張。独法化は最終的には民間移譲や廃院につながるとして、県立病院の形態を維持するよう求めた。


 「安心できる地域医療体制を目指して」と題されたパネルディスカッションで、前石垣市長で八重山病院院長を経験した大浜長照氏が「復帰後40年経ったが、当時と今で八重山病院長の苦労は変わっていない。院長時代の主な仕事は常に医師確保」と医師不足に悩む医療の現状を指摘。


 フリーライターの山城紀子さんも「沖縄県民は、24時間救急医療は当たり前だと思っているが、他の県を見ると、決してそうではない」と住民の医療に対する意識向上を求めた。


 5月に子どもを出産したばかりの天願由子さんは「今後も産科医不足の問題が発生するのではと不安。住民一人ひとりが地域医療について真剣に考え、行政も住民が安心して暮らせるまちづくりをしてほしい」と訴えた。


 コメンテーターは塩谷さん、コーディネーターは琉球新報記者の玉城江梨子さんが務めた。


 沖縄の地域医療を守る対策本部は労組を中心に組織。27日には宮古島でもシンポを開催する。