波照間海運 再び運休 再開めど立たず撤退へ 補助金打ち切りで

波照間海運が運航していた貨客船「フェリーはてるま」
波照間海運が運航していた貨客船「フェリーはてるま」

 昨年12月、石垣―波照間航路で客船、貨物船を運休しながら、一時、貨客船「フェリーはてるま」で貨物運航を再開していた合資会社波照間海運(上原元代表社員)が、5月末で再び同船を運休させたことが分かった。運航再開のめどは立っておらず、同社は船舶運航事業から撤退すると見られる。

 

 波照間島では物資輸送の多くを同船に頼っており、住民には不安が広がっている。
 上原代表が5月下旬、波照間島を訪れ、公民館関係者らに運休の意向を伝えた。同社関係者によると、赤字経営で貨物船の維持費が確保できない状況。5月31日に「フェリーはてるま」の最後の運航を行い、発電用の燃料などを波照間島に運んだという。


 10年に新造船した旅客船「ぱいぱてぃろーま」はすでにメーカー側に返還されており、旅客事業の再開も困難。石垣港離島ターミナルの事務所も閉鎖している。


 波照間航路は昨年まで波照間海運だけが客船と貨物船を運航しており「もともと赤字路線」(同社)だったが、国、県、竹富町からの補助金で赤字を補てんし、運航を継続していた。


 昨年3月、波照間航路に安栄観光が新規参入し、客船を毎日4便、貨物船を週3便運航するようになった。船会社が2社以上競合する航路は補助対象航路の指定を取り消されるため、波照間海運への補助金は打ち切られていた。


 同社は補助金打ち切りで運航が不可能になったとして昨年12月、客船、貨物船を運休させた。しかし間もなく、波照間製糖の製品などを運搬するため、週3回、1日1便のペースで「フェリーはてるま」の運航を再開していた。


 ただ、客船、貨物船とも運航計画通りの運航ができない状態が続いたため、5月24日には沖縄総合事務局運輸部が同社に「船舶運航確保命令」を出し、是正報告を求めていた。
 同社は取材に対し「代表が不在で対応できない」としている。