県議選6・10 候補者に聞く

インタビューに答える3氏(記事の並びは50音順)
インタビューに答える3氏(記事の並びは50音順)

大浜一郎氏

経済発展と医療充実 「東洋のハワイ」目指す

 ―八重山は今、何が一番の課題なのか。
 「沖縄21世紀ビジョンは具現化の段階に入った。経済人の立場では実現に関与できないため、政治に身を置くことを選んだ。とりわけ八重山では、経済の発展、医療体制充実の取り組みを着実に進める必要がある」


 ―県議選の最優先政策は何か。
 「離島医療、教育、福祉、子育てと八重山地域経済の国際化だ」
 ―その他の最重要政策を3つ挙げてほしい。
 「第一に今年を経済振興元年と位置づけ、国際性豊かな日本の楽園、東洋のハワイを目指す。農水産業は海外市場を見据えた基盤の生産と増強が必要だ。建設産業は防災対策、景観再生に配慮した新しい公共事業を導入する。
 特産品ブランドの戦略を強化し、海外市場を見すえグローカルイズムによる商工業を振興する。


 第二に人材育成と伝統文化の継承発展に取り組む。
 第三に県議会に外交に関する特別委員会を設置し、平和と交流促進を目指す。尖閣や漁業の問題、米軍基地の縮小問題も、独自ルートの確立と情報交換が必要だ。
 たとえば、台湾は日本が口蹄疫の汚染地域ということで牛肉を輸入禁止しているが、沖縄産に関しては輸入を承認するというような地域間交流や、さらに尖閣海域の不測の事態を避けるような地域外交が21世紀の沖縄には必要だ」


 ―一括交付金をどう活用するか。
 「離島の手つかずだった問題に注目し、例えば農業分野では、小型、中型のハーベスタ導入で生産効率を上げたり、八重山病院の移転やITを活用した遠隔の見守り、介護、医療にも手当ができる」

 

 ―八重山病院の独立行政法人化について。
 「独法化に反対すれば明日から離島医療の未来が良くなるなら当然反対するが、まず医師や看護師の確保、医療機器の更新、移転新築の方向性を見い出し、医療に対する不安が二度とない状態を確立してから、運営体制の議論をするべきだ。離島医療が十分に安心できない現状で、こんな議論はしてはいけない」


 ―本島と先島のガソリン価格差について。
 「本島と離島では定住人口、自動車台数など市場の規模が違う。本島では販売業者間の過度な競争で給油所の経営は厳しい。八重山では会員価格や割引などを利用すれば実販価格が本島とほぼ変わらない価格もある。本島の店頭価格と離島の価格の単純比較は適当ではないのではないか。
 政治が取り組むべきことは3つ。石油製品輸送費補助財源の確保、ガソリンの暫定税率は、離島においては撤廃か軽減措置を政策要求する。ガソリンの二重課税も解消を求める」


 ―八重山の国際観光地化についての考え。
 「新空港開港後は、台湾をメインに香港、上海、北京、韓国との直接的な飛行ルートをスピーディに開設したい。次は港湾整備だ」


 ―与那国町への自衛隊配備についての考え。
 「自衛隊配備は国の専権事項だが、国はていねいに地域に説明する責任がある。住民投票はなじまない」


 ―仲井真弘多県政に対する評価は。
 「一括交付金を導入した。100点だ」
 ―県議候補として一番の強みは。
 「政策立案力、実行力、交渉力、人脈力。3市町と強力に連携して、県、国とのパイプ役になる。新しい八重山づくりのために海外ともパイプをつなぐ」

砂川利勝氏

第一次産業が基軸 土地改良は賦課金ゼロに

 ―今、八重山で一番の課題は何か。
 「経済に少し元気がなく、景気が冷え込んでいる感は否めない。第一次産業も今、割高な輸送費がかなり重荷だ」


 ―県議選の最優先政策は何か。
 「第一次産業を機軸に、公共工事の掘り起こしにつなげ、観光産業へと発展させ、経済を活性化させる。
 今後の土地改良は農家の賦課金をゼロにする。サトウキビは国が共済掛け金の50%を負担しているが、県からも予算をつけて補助したい。堆肥センターを活用した農家支援に取り組む。畜産は母牛の更新時の補助、共済掛け金の補助にも県の予算を出したい。購買者の誘致活動にも同行する。水産業は輸送費の補助と陸上養殖施設整備、後継者の育成だ」


 ―その他の重要政策を3つ挙げてほしい。
 「一番目は、住民生活の基礎である燃料、ガソリン価格の沖縄本島との格差是正。これだけの価格差が住民生活に大きな影響が与えているのは事実。本島と遜色のない値段であれば、生活費も増える。


 価格差は何が原因なのか。輸送費の補助金が足りないのか、競争がないのか、議員として検証し、改善していく必要がある。
 TPP(環太平洋経済連携協定)には反対する。農業だけではなく、公共工事にしろ医療にしろ、大きな影響がある。


 県立八重山病院の独法化には、当然反対する。我々が県から受けられる最大のサービスは医療。独法化されれば病院の経営が民間になり、利益優先になる可能性がある。移転新築を最優先にしたい。現状では、いつになっても『宮古病院の次にやる』という話しか聞こえてこない。いつ着工できるかという明確な答弁を、県議会で引き出したい」

 

 ―一括交付金をどう活用するか。
 「まずは農林水産物の輸送費の格差是正だ。航空運賃の軽減もさらに進めたい。新空港ができ、格安航空会社(LCC)が来るまで、しっかり補助金を継続し、最低でも今の運賃は維持したい。


 ハード面では水族館の建設ができないか県に提言したい。八重山の素晴らしい景観はアジアの三ツ星と言われる。西表などの離島も含め、一括交付金で、もっと世界にコマーシャルしたい。業者の皆さんの意見を聞きながら考えたい」


 ―八重山の国際観光地化について。
 「新空港開港に伴う国際性豊かな観光事業を展開し、国境の島しょ圏域のリゾート地としてゴルフ場の建設を進めたい。


 ただ台湾などで口蹄疫が収束していない。アジアからの観光客がさらに増えるなら、いかなるお金を使ってでも空港と港で対策を講じ、侵入を食い止めたい。最先端の水際防止策を取り入れたい」


 ―与那国町への自衛隊配備について。
 「国も動いているし、町が推進している以上、私も推進したい。民意は得られている」

 

 ―仲井真弘多県政の評価。
 「100点。一括交付金獲得を評価する」


 ―県議候補として一番の強みは。
 「これまで八重山の県議に、第一産業従事者はいなかった。
 行動力、実行力、有言実行で政策を成し遂げる。議員は住民に身近であることが一番。しっかりと事務所を構え、住民の意見が反映できるように対話したい」

 

高嶺善伸氏

県立病院を断固堅持 中学卒業まで医療費無償

 ―八重山は今、何が一番の課題なのか。
「新たな振興計画スタートに当たっての離島振興、離島苦の解消をどうするか。県は離島へき地医療の拠点である八重山病院の経営形態について12年度中に決定する方針なので、県立病院を堅持できるかどうか。周辺諸国との交流と共生という沖縄の目指す将来像に関連して、教科書問題のような平和教育の課題もある」


―県議選の最優先政策は何か。
 「八重山病院の独立行政法人化を阻止し断固県立病院を堅持する。県立病院の経営は11年度も黒字の方向だ。赤字だから独立採算制にするということではない。移転新築は一括交付金で対応する」


 ―その他の最重要政策を3点挙げてほしい。
「航空運賃値下げは(沖縄振興計画の)10年間継続する取り組みが必要。農水産物の輸送費も約35億円を予算措置し、鹿児島から東京間並みの運賃を目指している。
 新空港開港を景気回復元年にするため、国内だけでなく台湾など周辺諸国から観光客を誘致する。最低100万人くらいの観光客を目指し、観光産業を総合産業として地域産業をリンクさせる。


 人材育成に向け待機児童解消のため保育園の認可化促進などを支援する。医療費も中学卒業まで全額無償化したい。児童生徒の派遣費支援、高校のない離島から通学している高校生の就学支援金の制度にも取り組みたい」

 

 ―一括交付金をどう活用するか。
 「離島の児童生徒交流施設となる沖縄児童生徒支援センター(仮称)は補正予算で調査費を計上したが、場合によってはがん患者など難病患者が本島で宿泊する際に利用できるよう検討したい。


 一括交付金が打ち上げ花火に終わってはいけない。私は第21回沖縄振興審議会で川端達夫沖縄担当相に、特別措置法のある最低10年間は交付金を継続し、離島苦解消の制度に対応してほしいと要望した」


 ―本島と先島のガソリン価格について。
 「離島石油製品補助事業で輸送費が補助されており、離島でも価格が高くならないよう配慮されている。価格差については3年間で検証することになっている。検証の推移を県議会もチェックしたい」


 ―八重山の国際観光地化の考え。
 「八重山は、台湾や中国ともっと密接に交流し、ともに繁栄する地域でありたい。東アジアの玄関口としての役割を発揮し、沖縄、日本経済のエンジン役になるべきだ。
 観光客数、消費額を増やし、今の八重山の総生産額を約一千億円から千五百億円くらいまで引き上げていきたい」


 ―与那国町への自衛隊配備についての考え。
 「町民の半分以上が配備に反対という署名を提出している。町民の理解なしに、頭越しに拙速に配備することは反対だ」


 ―仲井真弘多県政に対する評価は。
 「新空港の予算措置、一括交付金による航空運賃低減など、私の要望や意見が離島振興策で取り入れられた。一方、普天間基地の返還方法、整理縮小では、日米両政府にはっきりメッセージが出せていない。50点くらいの評価」


 ―県議候補として一番の強みは。
 「県議3期12年の現職であり、議長の経験を生かし、情熱、即戦力がある」