漢那氏にくすぶる不満 野党は存在感欠如 識名トンネル補助金不正受給問題

 識名トンネル補助金不正受給問題で、与党が漢那政弘副市長の続投を認め、漢那氏の辞任はひとまず回避された。ただ若手市議を中心に、漢那氏に対する不満はくすぶり続けている。「(漢那氏の続投に)120%納得していない」という声も出ており、事態の推移によっては、辞任論が再燃する可能性がある。一方の野党は、与党で沸騰する議論を尻目に「静観」に終始し、存在感の欠如を露呈した。


 漢那氏に対しては特に若手市議の反発が強く、25日の会合でも「識名トンネルが問題ではない。資質の問題だ」と批判する声が出たという。


 市議の1人は、漢那氏の副市長としての能力に疑問を呈し「(辞職勧告決議案を)野党が出さないのに、与党が出すわけにはいかない。今回は続投を認めたが、納得しているわけではない」と不満をあらわにした。


 これに対し、中山市長は漢那氏を強力に擁護。最終的に「市長の意向だから」と若手市議も続投を認めた。公明も漢那氏の続投を主張。大石行英氏は「今後も結束を固めて、中山市政を支えなくてはならない」と強調する。


 与党内がこの問題で分裂すれば、今後の市政運営で、野党に足元を見すかされかねないという危機感があるためだ。


 漢那氏の辞任論が相次いだ与党とは対照的に、野党は「与党の問題だ」「県警の捜査を見守る」などとして、漢那氏の追及を控えた。


 辞職勧告決議案の提出も取りざたされたが、実際には消極的な姿勢に終始。あわよくば与党の分裂を待つか、漢那氏を温存し、中山市政に対する「攻撃材料」として使えるタイミングを見計らいたいという政治的思惑も見え隠れする。


 しかし「身内」の与党が漢那氏を追及し、チェック機能を果たすべき野党が静観を決め込むという奇妙な構図になった。政治関係者からは「野党が役割を果たしていない」「市民不在の政治劇」と指摘する声も出ている。