「コンビニ受診」で医療崩壊 現役医師が警鐘 救急車「タクシー代わり」も 八重山病院

嵩下医師の講演を聞く参加者=1日午後、市健康福祉センター
嵩下医師の講演を聞く参加者=1日午後、市健康福祉センター

 重症でないのに、コンビニに出かけるような軽い気持ちで夜間の救急医療を受診する「コンビニ受診」のあり方を問う県立八重山病院主催の講演会が1日、石垣市健康福祉センターで開かれた。嵩下英次郎外科医は、八重山病院でもコンビニ受診が日常化していることを報告。医師の疲労や辞職につながることを指摘し「地域医療の崩壊につながる」と警鐘を鳴らした。

 

 嵩下医師が今年2月、八重山病院でコンビニ受診した人たちを対象に理由を聞いたところ「仕事があったから」「ちょっと心配だったから」「夜間がすぐに診てもらえるから」といった声が多かった。


 コンビニ受診者の7割は「夜間診療所」として八重山病院を利用しているという。
 救急車を「タクシー代がないから」「すぐ診てもらえるから」と利用する人もいた。
 嵩下医師は、八重山病院で夜間に当直する外科医の場合、月に7、8回、連続34時間勤務していることや、当直の翌日も通常勤務していることを紹介。


 その上で「(コンビニ受診があると)誰でも疲れ果て、当直を拒否するか、病院を辞めてしまう。残った医師に負担がかかり、病院が立ち行かなくなるか、救急医療を辞めることになる」と「負の連鎖」を訴えた。


 八重山病院を退職した当直経験者の医師が「もう2度とこの病院では働きたくない」と話したことを挙げ「これが八重山病院の現実」だとした。


 今後については①コンビニ受診を控える②かかりつけ医を持つ③医師に感謝の気持ちを伝える―ことを呼び掛け「医療に関心を持ち、何が問題か分かってほしい」と述べた。


 八重山病院の将来について「現在は県立病院なので、人が足りなくなれば本島の県立病院から送ることができるが、独立行政法人化の話も出ている」と独法化に懸念を示した。
 夜間の救急医療の利用法をテーマにした座談会も開かれた。