対抗馬の人選混迷 現職追撃体制整わず 竹富町長選

川満栄長氏
川満栄長氏

 8月21日告示、26日投票の竹富町長選まで一ヵ月余りとなったが、現職、川満栄長氏(59)の対抗馬擁立作業が混迷している。野党の「切り札」だった町議会議長、西大舛高旬氏(64)が出馬断念に追い込まれ、有力候補がいなくなったためだ。副議長の新田長男氏(52)らの名前が取りざたされているが、新田氏は現段階で慎重な姿勢を崩していない。最大の票田である西表島を分断し、川満氏が掲げる役場移転を「阻止」できる候補がいるのか。現職の追撃体制は整わず、野党の悩みは深い。

 

 有権者は3085人(6月9日現在)。このうち西表島の有権者だけで約6割を占める。町長選は、西表島で一定の支持を得ることが勝利の条件になる。


 野党は当初、西表西部を地盤とする川満氏に「勝てる候補」として、西大舛氏の擁立を決めた。西大舛氏は町議会最多当選のベテランで、西表東部で強い影響力を持つ。西表島を分断し、他の島の票を合わせれば、現職に対し十分勝機はあるという計算だった。


 西大舛氏としても、年齢的に町政を狙うラストチャンスと見られ、周囲には出馬に向けた本人の強い意欲が伝えられていた。


 西大舛は役場移転の是非を問う住民投票の実施を訴え、支持者に理解を求めた。西大舛氏を擁立した町議7人はすべて西表島以外の島出身だったが「住民投票で役場移転賛成が多数を占めれば従う」と確認していたためだ。


 しかし支持者は、西大舛氏が役場移転反対派に擁立されることに強く反発。西表島の関係者は「西大舛氏ほどの有力者でも、支持者を説得できなかった。役場移転を推進するという約束を守らないからだ」と批判した。


 出馬を断念した西大舛氏は「役場移転を実現するには、住民投票のほうが早いと説得したが…」と表情に無念さをにじませた。


 野党にとって西大舛氏の出馬は「既定路線」だったため、事態の急変で候補者選びは一気に混迷。2日の会合は人選が白紙になったことを確認して散会したが、次回会合について具体的な日程も固まっていない。


 選挙関係者は「保守色の強い西大舛氏を革新系の町議も含めて擁立しようとした。共通するのは役場移転反対だけで、もともと野合だ」と批判する。


 新田氏は自身の出馬について「現時点では考えていないが、無投票にするわけにはいかない。何か考えないといけないだろう」と話す。現在、野党議員はそれぞれの地元に帰り、人選について改めて意見を聞いている状況だという。


 川満氏はすでに後援会の体制を整えており、近く正式に出馬表明する予定。県立石垣青少年の家所長の加勢本曙氏(62)も独自に出馬を模索している。