過去のメディア どう活用 レコードや16㍉フィルム「死蔵」

石垣市立図書館に所蔵されている大量のLPレコード(11日午後)
石垣市立図書館に所蔵されている大量のLPレコード(11日午後)

 石垣市立図書館(松村順一館長)が、館内に保管しているレコードや16ミリフィルムなど、過去のメディアをどう活用するか頭を悩ませている。時代はCDやDVD、ブルーレイといった新たなメディアに移り変わり、過去のメディアは忘れ去られた存在になっているためだ。一方で市民からは「貴重な文化遺産」と指摘する声も上がっている。

 

 同図書館によると、所蔵しているLPレコードは約1200枚、16ミリフィルムは約280本。多くは沖縄の本土復帰前に米国民政府が建設した琉米文化会館が所蔵しており、復帰時、石垣市に移管された。そのため、レコードは海外盤が多い。クラシックが主だが、個人から寄贈された歌謡曲もある。


 16ミリフィルムの多くは教育用の学習映画で、タイトルから沖縄関係の映画と推測されるものもある。


 レコード、16ミリフィルムとも現在まで活用されず「死蔵」された状態になっている。
 市議会6月定例会では、大石行英氏が資料の活用を求めた。市は一時、16ミリフィルムをデジタル化し、DVDで視聴できるようにすることを検討。しかし総額で2千万~6千万円の費用がかかることが分かり、頓挫している。16ミリフィルムは視聴機材もなく、上映が不可能な状況。


 レコードプレーヤーも、現在、一般家庭ではほとんど見かけなくなった。同図書館にはレコードプレーヤーを所有しているが、松村館長は「レコードにはすでにCD化されたものも多い」と指摘。図書館所蔵のレコードに対する「需要」を計りかねている。


 復帰前には、琉米文化会館でレコードコンサートや映画の上映会が開かれることもあったという。


 当時を知る一人で、現在は個人的にレコードコンサートを開いている佐久川広海さん(68)は「レコードがどういうものか知る人が少なくなっている。子どもたちに現物を見せ、聞かせる教育をしたい。図書館の資料をレコードコンサートに活用できれば」と期待する。


 松村館長は、個人的な問い合わせには対応できないとした上で「愛好会のようなものを作ってもらえれば(レコードなどを)活用してもらえるのでは」と話している。