軍事衝突避け既成事実 尖閣制圧へ活動活発化 惠さんに聞く

 中国の漁業監視船が領海侵犯を繰り返すなど、今年に入って尖閣諸島(石垣市登野城)をめぐる情勢が緊迫の度を増している。漁業監視船の活動活発化の背景などについて12日、拓殖大客員教授(本紙論説委員長)の惠隆之介さんに聞いた。

 

 ―尖閣諸島の領有権を主張する中国は、漁業監視船の活動を活発化させている。
 「尖閣諸島には日米安保が適用されるので、中国政府は米国との軍事衝突は避けたい。そこで、日本の警察力との衝突に持っていく意図がある。台湾海軍からの情報によると、中国は半年ほど前からプランを立てており『漁業監視船対海保』という構図で既成事実を重ね、尖閣周辺海域を制圧しようとしている」


 ―漁業監視船は武装しているのか。
 「機銃などで武装している。2年前、東シナ海で、私の友人である米国のパイロットが中国船に接近すると、機銃の銃口を向けられた。米国の軍用機だと気づくと、慌てて機銃にビニールカバーをかぶせて手を振ったそうだ」


 ―海保と漁業監視船の衝突は今後も続くと思うか。
 「何度も繰り返される。中国の公船の数も、領海侵犯の数も増えていき、放っておくと周辺海域を制圧されるだろう。漁民も恐がって(周辺海域に)行かないし、海保も船が足りない。中国は公船を6隻くらい出し、海保が手出しできないようにして、既成事実を積み上げる」


 ―日本はどう対応すべきなのか。
 「海上警備行動を発令して海上自衛隊を出すべきだが、今の政府では決断できない。海保と海自、米国が実戦訓練することなどを考えてはどうか。石垣市民や県民も覚悟をしないと、尖閣諸島を実効支配される恐れがある」
 「私としては東京都が早く尖閣諸島を買い取って、人を上陸させて調査を行い、こちらの実効支配の既成事実をアピールするべきだと思う。中国が先に人を上陸させると、まずいことになる」


 ―米海兵隊が運用する垂直離着陸輸送機МV22オスプレイの沖縄配備に賛成の論陣を張っているが。
 「一日も早く実戦配備して最悪に備えるべきだ。日本の保守派は(賛成の)意思表示をしないといけない。事故のリスクより、尖閣のリスクがはるかに高い。配備すれば(中国に対する)抑止力となり、メリットは大きい」


 ―最近の中国の動きから感じ取れる真意は。
 「中国軍少将が尖閣諸島周辺に軍事演習地区を設けるべきだと発言した。彼は軍服組ではなく、背広組だ。私は、中国は日本を試していると思った。日本があの発言に反発していれば、中国政府は抑えたはずだ。しかし日本は正式に抗議しなかった。従って、中国は次のステップへと進むだろう」