対抗馬見えず 野党に焦り 告示まで1ヵ月に迫る 竹富町長選

(左から)加勢本曙氏(62)、川満栄長氏(59)
(左から)加勢本曙氏(62)、川満栄長氏(59)

 8月21日告示、同26日投票の竹富町長選は、告示まで1ヵ月に迫った。再選を目指す現職、川満栄長氏(59)=西表島上原=に対し、野党の対抗馬擁立作業は具体的な進展がないまま難航している。「反役場移転」勢力を結集し、町政を打倒できる人材の不足が大きな要因。「無投票は避けたい」(野党議員)としており、ギリギリまで対抗馬擁立に向けた作業が続きそうだが、時間が経過するほど現職の先行を許すことになり、焦燥感は隠せない。元小学校教頭の加勢本曙氏(62)=西表島白浜=も独自に出馬の意向を示している。

 

 「(選挙戦を)無投票まで追い込みたい」。16日に石垣市内で開かれた川満陣営の事務所開きで、那根操選対本部長は決意を示した。先行して出馬表明し、後援会組織を構築した川満氏に対し、野党は対抗馬も決まらない状況が続いている。


 もともと町内には知名度や実績で現職に対抗できる人材が少なく「持ち駒」が限られている事情があった。最大の誤算は対抗馬の「大本命」だった町議会議長、西大舛高旬氏=西表島南風見=が早々に出馬断念に追い込まれたことだった。


 副議長の新田長男氏=竹富島=も有力候補と見られているが、会社経営が多忙なため出馬は困難視されている。その他の町議も各島の利害代表者という性格が強く、有力候補にはなりにくい。


 町出身の島外在住者の名前も挙がるが、西表島の住民票を持つ「町民」の川満氏に対し、落下傘候補では「よほどの大物でない限りインパクトが弱い」(選挙関係者)と見られる。


 8年前の町長選で、当時の課長だった大盛武氏が立候補し、現職町長を破った先例から、職員や元職員を推す声もあったが、現時点で不発に終わっている。


 八重山は豊年祭シーズンに入っており、候補者擁立の話し合いで野党議員が集まる時間的余裕も少ない。


 川満氏は役場移転を「2期目で実現したい」と明言しており、今選挙は役場移転の是非が最大の争点。明確な争点がありながら有力候補を擁立できない場合、野党が町民の厳しい批判を浴びるのは間違いない。


 ある町議は「自分が出る、という人が出ない。それが不思議なんだ」と、もどかしさをあらわにした。