尖閣問題「ガス抜き」に 中国、日米の亀裂見抜く 惠さんに聞く

 尖閣諸島(石垣市登野城)の領有権をめぐり、19日付の中国紙は日本に対する武力行使に9割が賛成しているという世論調査を掲載した。21日、拓殖大客員教授(本紙論説委員長)の惠隆之介さんに話を聞いた。


 ―このタイミングで世論調査の結果が発表された意図は何か。
 「中国の世論は共産党がリードしている。オスプレイ配備の問題で日米に入った亀裂をうまく利用し、軍事行動に向けた布石を打っているのではないか。中国ではバブルがはじけて貧富の差が拡大し、共産党に対する反発が強まっている。尖閣諸島問題はガス抜きに使われており、危険度は上がっている」


 ―日米の亀裂は深刻なのか。
 「オスプレイの沖縄配備は1996年ごろから議論されていた。エンジントラブルが嘉手納基地周辺で起こった場合は海に墜落させられるが、普天間基地は周辺が市街地なので、米側は一刻も早く普天間基地を辺野古に移して訓練をしたい。しかし日本は、その義務を履行していない。
 友人の米軍将校によると、米側は日本の態度が煮え切らないため、水面下で『尖閣諸島で有事が起きた場合でも、米国が自動参戦すると思うな』と言ってきている。何もしないで無条件に守ってもらえるというのは甘い。米国からも見離されようとしているのを、中国は巧みに見抜いている」


 ―今後の展開は。
 「中国は最初のステップとして、公船の漁業監視船を使い、軍事行動一歩手前の警察力の行使をしてくる。
 石原慎太郎都知事が尖閣諸島を買い上げ、現地調査するときは、中国は妨害してくると思う。500隻くらいの民間の大船団で取り巻く可能性もある。漁民を守るという口実で漁業監視船も繰り出し、機銃で武装する船もあるだろう。海保を圧倒し、尖閣諸島に上陸するかも知れない。海上警備行動の発令も含め、毅然とした態度を国際社会に示し、実行する時にきている」