遺族の意思が最優先 魚釣島での慰霊祭で市長 遺族会長、上陸申請批判

 国会の超党派議連が尖閣遭難事件の慰霊祭を魚釣島(石垣市登野城)で開催するため、政府に上陸許可を申請し、中山義隆市長にも同行を打診している件で、中山市長は24日「遺族の意思が最優先だ」と述べ、遺族が反対すれば慰霊祭に参列しない考えを示した。八重山日報社の取材に答えた。上陸申請が不許可になった場合に、議連が計画している洋上での慰霊祭も参列を見送る。尖閣列島戦時遭難者遺族会の慶田城用武会長は議連の動きについて「右翼団体の考え方には同意できない」と批判している。

 

 魚釣島への上陸許可を申請するのは超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」のメンバー。8月19日に魚釣島で慰霊祭を開きたい考えを示しており、中山市長にも今月、議連メンバーから同行の打診があったという。


 中山市長は「現地での慰霊祭は市としても要望している」とした上で「政府が認めた形で、合法的に上陸できるなら私も(慰霊祭に)私も同行したい。

(ただし)遺族会ともしっかり連携し、調整した上でないといけない。遺族の意思が最優先だ」と強調。現地での慰霊祭に参列する条件として、政府の許可と遺族会の賛同を挙げた。


 遺族会の慶田城会長は24日、取材に対し、議連が魚釣島への上陸許可を申請することについて「右翼団体の領土を守るという考え方には同意できない。遺族会の名前を活動に使われても困る」と不快感を示した。


 遺族会が魚釣島で慰霊祭を開催する可能性についても「そういう形での慰霊祭は、やるつもりはない」と否定した。


 遺族会は従来、尖閣諸島への上陸は周辺諸国との摩擦を招くとして、魚釣島での慰霊祭開催に慎重な姿勢を示してきた経緯があり、慶田城会長は従来の立場を繰り返したと見られる。


 ただ、魚釣島での慰霊祭開催に対しては、今月3日の慰霊祭でも、参列した会員の間で賛否が分かれていた。魚釣島では1969年、市が慰霊碑を建立し、慰霊祭を開催した経緯がある。