
波照間海運の貨客船「フェリーはてるま」が運休し、波照間島への燃料輸送などが滞っている問題で7月31日、波照間航路で現在、運航している有限会社安栄観光(森田安高代表取締役)は竹富町(川満栄町長)と合同記者会見を開き、フェリーはてるまを正式に購入したことを発表した。森田代表取締役は「8月中旬を目処に、運航を再開していきたい」と話した。
波照間海運は昨年11月にフェリーはてるまを運休。製糖期間中は臨時運航していたが、今年6月から再び運休していた。
安栄観光の貨物船は、危険物取り扱いの許可を受けていないため、燃料などが輸送できず、これまで「フェリーよなくに」を3回チャーターし、燃料輸送を行った。
安栄観光は30日にフェリーはてるまの購入手続きを終えた。国籍証書などの書類が届き次第、今週中には事業変更届を沖縄総合事務局運輸部に提出する予定で、8月中旬ごろの運航再開を目指す。
代替船購入も明確にし、「3~4年内に代替ができればと考えており、県には単独航路の新造船購入についての審査書類の提出を行っている」とした。
町からの赤字航路補てんの申請については、「波照間以外の航路でも運航しているので、マイナスを出さないように会社で努力をしていく」と考えを示した。森田代表取締役は「石垣―波照間間の輸送を安定させていきたい」と話した。
川満町長は「町としても、重要課題として水面下で取り組んできた。安栄観光の報告を波照間島の島民に伝えて、共に喜びを分かち合いたい」と喜び、「安定航路に繋がるとして大いに期待をしている」と述べた。