豊穣へ感謝と願い 熱気も最大級 綱引きでフィナーレ 四カ字豊年祭

大綱引きの前、婦人らによるガーリー(歓喜の手踊り)で力勝負の気分を盛り上げた=新川
大綱引きの前、婦人らによるガーリー(歓喜の手踊り)で力勝負の気分を盛り上げた=新川

 八重山最大の四カ字豊年祭「ムラプール(奉納芸能)」が5日、真乙姥御嶽(マイツバオン)=新川=とその前の市道で営まれた。石垣、登野城、新川、大川の四カ字住民らが豊年に感謝するとともに、集落の繁栄を祈願。各字を越え古里の連帯を確かめ合った。石垣市人口の5割を超える地域だけに、熱気も最大級。神事から旗頭、奉納芸能、大綱引き―で太鼓や鐘鼓、掛け声が5時間余りに渡って響き続けた。


 ムラプールは、真乙姥御嶽に各字の神司が集い、豊年に感謝の祈りをささげて幕開け。若者による旗頭の奉納が続き、字会による「巻踊り」で、稲の豊かな実りを表現。児童・生徒による、勇壮な太鼓演舞も披露された。


 奉納芸能の後、神司らが、厳かに五穀種子授けの儀式。東方のニライカナイから豊穣の神が訪れ、真乙姥御嶽の神司に穀物の種を授ける「神話」を再現した。


 儀式に続き、女性だけで行われる、子孫繁栄の願掛け「アヒャー綱」。新川在住の慶田盛洋子さん(68)が、東西の綱を繋ぐ「ブル(貫棒)」を神司から授かり、雄綱と雌綱の交わりにブルを差し込んだ。慶田盛さんは、取り囲んだ女性たちによって担ぎ上げられ「さァーさァー」の掛け声で歓喜の手踊りの中心となった。


 慶田盛さんは「一生に一度の大役。選ばれたのは主人の両親のおかげ。御嶽に入ると同時に緊張が解け、神様の存在を感じた。新川の皆さんに支えられて、どうにか務めを果たせた」と晴ればれとした顔を見せた。


 夜に入り、豊年祭のクライマックスは東西に分かれての大綱引き。ツナヌミン(殺陣)では、伝統のなぎなたとカマの対決を披露、力勝負の気分を盛り上げた。


 爆竹の合図で、住民らが長さ100㍍の大綱を引き合い、1分余りで西の勝利。5時間に及んだ祭りが幕を閉じた。豊年祭を通して、参加者は四カ字の連帯と古里への誇りを改めて感じている様子だった。ムラプールは台風9号の影響で延期、この日の開催となった。