誰が町長でも厳しく 役場移転に議会の壁 竹富町長選 21日告示

(左から)加勢本曙氏、山田耕治氏、川満栄長氏
(左から)加勢本曙氏、山田耕治氏、川満栄長氏

 任期満了に伴う竹富町長選は21日告示、26日投票が行われ、役場移転の是非が最大の争点。現職、川満栄長氏(59)=西表島上原=は役場移転推進、新人で前副町長の山田耕治氏(55)=西表島祖納=は住民投票での決着、新人で前県立青少年の家所長の加勢本曙氏(62)=西表島白浜=は役場移転反対を掲げている。ただ、役場移転の実現には町議会で3分の2以上の同意が必要になるなど、実際には誰が町長になっても「シナリオ通り」とは限らず、厳しい町政運営を強いられるのは必至だ。

 

 地方自治法4条3項の規定によって、町役場の住所を変更するには、出席議員の3分の2以上の同意を得なくてはならない。


 竹富町議会だと8人以上の同意が必要になるが、現時点で議会勢力は病気療養中の1人を除き、与党3、野党8。役場移転賛成の有権者が多い西表島の町議だけ見ても、与野党で5人にとどまっている。


 川満氏が再選され役場移転を提案した場合、仮に西表島の町議全員が同意しても、半数にも達しない。そもそも、新庁舎を建設するための事業費すら可決の見通しが立たない状況だ。


 川満氏の支持者も「町長が再選されても、次の町議選があるまで2年間は、役場移転は進まないだろう」と認める。次期町議選でも、役場移転賛成派の町議を8人確保するのは「難しい」という見方が多い。


 川満氏は役場移転の是非を問う住民投票の実施を否定しているが、町民が住民投票条例制定を議会に請求し、町議会で可決されれば、住民投票を行わなくてはならない。このため、川満氏が再選されるか、役場移転に反対する加勢本氏が当選しても、住民投票の可能性は消えない。


 山田氏が当選し、住民投票が行われた場合、西表島の有権者が町全体の約6割を占めるため、役場移転賛成が多数を占める可能性がある。山田氏は基本的に役場移転には慎重姿勢だが、住民投票の結果は尊重することを明言している。役場移転賛成が多数になれば、世論と町議会の板ばさみになりかねない。


 加勢本氏は、住民投票が行われた場合でも、役場移転の実施には単純な多数ではなく、3分の2以上などの大多数の賛成が必要という考えを示している。ただ、役場移転反対を貫けば西表島の有権者の反発を招く可能性が大きく、当選を果たしても町政運営の道は険しくなる。