運用1年、利用者は1件 取り組み「時すでに遅し」 ブランド化アイデア空振り

石垣市が進める「産地認証マーク」。JA集荷場に看板が設置されている=8日、市内磯部
石垣市が進める「産地認証マーク」。JA集荷場に看板が設置されている=8日、市内磯部

 石垣市が昨年、島産パインのブランド化を進めるため、パインが島産であることを証明するシール「産地認証マーク」の運用を開始したが、運用から1年が過ぎても、シールの利用者はわずか1件に止まっていることが分かった。市農政経済課によると、今年のシールの販売枚数は1万2千枚で、新たな利用申請者の予定はないという。パイン生産・販売者のなかには「顧客との長年の信頼関係があるので、今さら産地認証の必要はない」と、市が進めるパインの産地認証の取り組みに「時すでに遅し」と言わんばかりだ。

 

 「産地認証マーク」は、島産のパインがおいしいことを消費者に広く伝え、産地としてのイメージアップを図るために、デザインを石垣市が一般から公募し、シールを作成。


 決定したデザインの商標登録を特許庁に申請し、昨年4月22日付で許可を得た。シールを使用できるのは、島産パインを生産・出荷している人。生産者は市パインアップル産地協議会の審査と市長の許可を経て、産地認証マークを商品のパインに貼り付けることができる。


 市内で青果用パイン最も多く集まると思われるJAおきなわ八重山地区営農センターパイン集荷場(市内磯辺地区)には、産地認証マーク」の利用を促す看板が設置されているが、JAの出荷するパインにシールは使用されていない。


 JAによると「JAが出荷することで、産地を証明しているし、段ボールに八重山産を表記している。シールを新たに使用すると、農家へのコスト負担となるので今のところシール使用は考えられない」と話す。


 また、パインやマンゴーの生産・販売を行う農家は「自前のパインやマンゴーは、石垣島産であることを前提に販売し、自前でブランド化している。顧客との長年の信頼関係があるので、今さら産地認証の必要はない」と話し、市が行う「産地認証マーク」の取り組みに対し、「島産の農産物に産地偽装が行われた実例が出てこない限り、必要とされないだろう」と、市の取り組みに「時すでに遅し」と言わんばかりだ。