ふるさと市民の願い ―災害に強い市役所を高台へ移転する英断を―② 玻名城英介 

 八重山の人口は約100年後の明治には、10,000人程度にまで減ってしまったようである。大災害の後の後遺症がいかに大きいかを物語っている。


 実は、陸に打ち上げられた津波石や津波の遡上高について「八重山の明和大津波」の著者である牧野氏の研究に対して、否定的見解を唱える学者もいる。また、先にNHKで放映された亜熱帯総合研究所のシミュレーションによると、津波は地震発生後7分で襲来し、標高35mまで洗い流したとしている。しかし、古記録は、津波襲来直後の被害を克明に調査して琉球王府に報告した写本であることから信憑性は極めて高いと思われるが。


 ところで、県行政や石垣市は今後、石垣市において最も発生が予想される災害を、過去の事例や調査資料等を基に同様の規模の災害が起こり得るものとして、台風(ここでは省略)、地震及び津波について災害の想定を行っている。これは平成21年度に沖縄県が実施した過去の調査、対象地震(海溝型)に加え、内陸(活断層)を震源地とする地震と県内一律でM6・9の地震が生じたケースも候補として検討し、最終的に14地震を想定している。


 

 この県報告を踏まえて、地震及び津波について次のように想定している。
 1点目は、地震であるが、石垣市に大きな被害を与える可能性のある地震として、当該報告書(平成22年3月)で想定されている石垣島東方沖(NM11,M7・8)を震源とする地震を想定しているが、石垣島ではM7・8の地震により震度6弱の揺れが想定され、埋立地を中心に液状化の危険が極めて高い地区がみられるという。


 その被害想定は、建物被害で全壊360棟、半壊1,160棟、人的被害は死者9名、重傷者61名、軽傷者103名と想定している。


 2点目は、津波の被害であるが、石垣島東方沖(NM,M7・8)を震源とする地震による津波と、1771年の八重山地震津波規模の県報告書で想定されている石垣島南方沖1(1M100,M7・7)を震源とする地震による津波を想定しているが、石垣島東方沖地震による津波は、地震発生後、北部地域には3分程度で到達するものと予測され、広い範囲で高さ5m以上が想定されるという。また、石垣島南方沖1地震による津波は、地震発生後、早い所で7分程度で到達するものと予測され、広い範囲で高さ5m以上が想定されている。


 津波による被害想定は、石垣島東方沖地震津波では、建物被害では全壊859棟、半壊0棟、人的被害は死者2,867名、重傷者43名、軽傷者103名と想定され、石垣島南方沖1津波では、建物被害は全壊793棟、半壊70棟、人的被害は死者2,932名、重傷者43名、軽傷者103名と想定されている。(つづく)