モラルを問う① ~交通マナー~ 本紙論説委員 辻 維周

 朝晩石垣島内を環境調査の為に回るようになってから、内地では考えられない事例を目にしたり、体験したりするようになってきた。例えば自動車運転マナーの悪さである。ウインカーを出さずにいきなり右左折をすることなど可愛いもので、追い越し禁止の区間を制限速度で走っていると、当然のように追い越し違反をして行く車、一時停止の標識など完全に無視をして優先道路に飛び出してくる車、道路のど真ん中にハザードも出さずに停まっている車、日常的な速度違反、子供や犬を膝に乗せたまま車を運転している人、逆走など枚挙にいとまもないほどである。このような傍若無人な運転をしている島民を見て、観光客もその真似をするようになってゆく。


 追い越し違反や速度違反をする車を毎日見るにつけても、この小さな島でなぜそこまで急ぐ必要があるのか、違反者自身に問いかけたい欲求に駆られる。例えば川平から市内まで制限速度を守っても三十~四十分、リスクを冒して急いでもこの距離なら五分と変わらない。さらにこの島の道は狭く、曲がりくねり、夜間は暗闇に包まれるうえに、路上には自転車やマラソンの練習をする人、貴重な小動物の飛び出し、低速度農耕関係車両など、さまざまな危険が待ち受けている。そこにこのような危険運転をする車があふれていると言う事は、大きな問題であると言わざるを得ない。八重山警察に取り締まりの強化をお願いしても、事例が多すぎるため十分に手が回りきらず、事故件数は増加の一途をたどっている。


 その中でも一番の問題は、本来市民の手本となるべき市役所職員やプロドライバーの交通違反事例が多いと言う事である。先日も川平から市街地方向に向かって制限速度で走行中、後ろから猛然と追い上げてくる車両(おそらく時速七十キロ以上)があったため、路肩に寄って先行させたところ、その車両の横には「石垣市×××」の文字が見えた。


 市役所職員によるこのような煽り行為や速度違反などを見るにつけても、この島の将来を悲観せざるを得ない心境になっているのは自分だけだろうか。またプロドライバーであるタクシー、しかも客を乗せているものによる煽りや追い越し違反、一時停止無視も多数目撃している。


 役人やプロドライバーはもちろんのこと、一般島民も身勝手な運転を自重し、交通ルール遵守を実行して行かない限り、「日本一幸せ溢れる島」にはなりえない。 (つづく)