シェパード徘徊「危険」 山原の県道79号 ロードキル急増 国の天然記念物も犠牲に

路上を徘徊するシェパード=11日午後11時50分ごろ、山原(辻環境文化研究所提供)
路上を徘徊するシェパード=11日午後11時50分ごろ、山原(辻環境文化研究所提供)

 野生生物の輪禍防止パトロールを続けている辻環境文化研究所の辻維周所長が11日深夜、山原(ヤマバレー)の県道79号で、シェパードを確認、写真に収めた。辻所長は「野犬化したシェパードを初めて見た。非常に危険」と注意を呼び掛けている。


 辻所長によると、車両でのパトロール中、11日午後11時50分ごろ、山原の路上で徘徊するシェパードを見つけた。中型の雄で、首輪が無く肋骨が浮かぶほど痩せていたため、野犬と見て間違いないという。


 「石垣市では飼い主のモラルが低い。シェパードは捨てられたものだろう。野生化したシェパードはオオカミと同じ。子牛やヤギを襲う可能性がある。子どもたちにも非常に危ない」と辻所長。辻所長は週明けの13日、石垣市役所と八重山保健所に、対策を要請する予定。

 

 石垣市で小動物が車両にひかれる「ロードキル」の被害調査を実施している辻環境文化研究所(辻維周所長)は、7月分のロードキル調査リストをこのほど、まとめた。7月は102件のロードキルが発生し、先月から23件増と急増している。このうち、国の天然記念物に指定されている小動物のロードキルは3件あった。


 7月のロードキルの内訳は、在来種45件、希少種・固有種50件、国の天然記念物3件など。在来種ではシロハラクイナの被害が一番多く、希少種・固有種ではサキシママダラやサキシマアオヘビといった爬虫類が多かった。国の天然記念物では、ヤエヤマセマルハコガメやオカヤドカリがロードキルで死んでいる。


 研究所は「7月は希少種であるサキシマアオヘビのロードキルが激増した。被害数の増加は従来の餌場でエサが減ったため、移動中に道路を横断して被害に遭ったのではないか」とした。


 またハブの個体数が減っていることも指摘。研究所によると、「ヘビを見ると、全てハブだと思い込み、轢き殺している事例やクジャク増加による影響も可能性がある」という。


 辻所長は「ハブが減った結果、野ネズミが増える。野ネズミは殺鼠剤での処分できると思っている人がいるが、殺鼠剤が河川に流出し、水系汚染や海洋汚染を引き起こす可能性もあり、極力避けてほしい」と述べた。