事業主体決まらず 現空港跡地のヘリポート整備 県、市町村とも難色

昨年5月、通算2500回を達成した急患搬送のヘリ(石垣空港)
昨年5月、通算2500回を達成した急患搬送のヘリ(石垣空港)

 来年3月の新石垣空港開港後、現空港跡地に整備が計画されている離島の急患搬送用のヘリポートは、事業主体が決まらない状況が続いている。地元の関係自治体と県が、互いに財政支出に難色を示しているためだ。宮古、八重山の5市町村長でつくる美(か)ぎ島美(かい)しゃ市町村会が7月、改めて県に要請行動を展開するなど、政治決着を図る動きが進んでいるものの、現状ではどこが事業主体になるのか見通せない。

 

 市消防本部は来年3月、現空港跡地に移転する。ヘリポートは消防庁舎に隣接する国有地での整備が計画されている。市消防によるとヘリポートは約1400平方㍍、事業費は約2500万円の規模になる見通し。竹富町、与那国町、多良間村からの急患搬送に活用される。


 事業費を負担する事業主体のあり方をめぐり、市消防は、6、7月に開かれた関係自治体と県の意見交換会で、県が事業主体となって整備するよう要請してきた。市消防総務課は「複数の市町村が関係する広域的な事業なので、県に整備をお願いしたい」と話す。


 これに対し、県福祉保健部医務課の担当者は八重山日報社の取材に「救急搬送は一次的には市町村の業務であり、ヘリポートの整備方法は、関係する自治体で相談してほしい。県はどう支援できるのかを検討したい」と強調。
 地元自治体が事業主体になるよう求め、県が事業主体になる可能性については「ないと考えている」と否定した。


 県の姿勢に対し、市消防は「県にぜひお願いしたいと要請中だ」(総務課)と、引き続き県費での整備を求める姿勢を崩していない。ただ、来年3月の新空港開港が迫っており、市消防は「年内には決着させないといけない」と焦る。県もタイムリミットが迫っていることを認めるが「(地元の自治体に)早めに動いていただかないといけない」(医務課)と逆に地元の決断を求めており、現状ではボールの投げ合いに終始している。


 美ぎ島美しゃ市町村会の要請後の動きについて県医務課は「要請について(県上層部から)個別の指示はない」と話している。急患搬送とヘリポート 現在、石垣航空基地は急患搬送のヘリ発着地として現空港を使用している。新空港は白保地区にあり、市消防や八重山病院までの距離が遠いため、市消防は新空港開港後、現空港跡地にヘリポートの整備を計画している。市議会も今年の3月定例会で現空港跡地でのヘリポート整備要請を可決した。離島からの急患搬送は年間約100件ある。