黒石川窯跡 市文化財に 沖縄の陶芸史上貴重 窯跡指定は初めて

玉津教育長から指定書を受け取る宮良さん(左)=石垣市教育委員会
玉津教育長から指定書を受け取る宮良さん(左)=石垣市教育委員会

 石垣市教育委員会は、黒石川(フーシナー)窯跡=大川=を市の文化財に指定し13日、指定書を交付した。黒石川窯は18世紀前半から、さまざまな焼き物の生産拠点として、大正期までほぼ200年に渡り多くの陶芸品を産出した。八重山だけでなく沖縄陶芸の歴史を知る上で貴重として、市の文化財(史跡)となった。窯跡の指定は初めて。

 

 黒石川窯は山田平等(サンダビラ)窯=石垣=から1730年、薪(まき)や水の利便性のため移転、焼き物生産を開始した。瓦をはじめ壺、甕(かめ)、香炉、鉢など多彩な陶器が製作されていた。大正期まで生産が続けられていたという。6基の窯跡があり、広さは約6千平方㍍。


 市文化課によると、黒石川窯跡は、保存状態が良好で出土品も多く、八重山だけでなく沖縄の陶芸の変遷(へんせん)を知る上で貴重としている。


 市教委は1988年から3次に渡って同窯跡を発掘調査。多くの陶芸史料が出土したが、保存のため埋め戻され、現在は原野の状態になっている。市教委は史跡看板を設置し活用を図る。市内ではほかに3カ所の窯跡が確認されており、市教委は発掘調査の上、文化財指定する方針。


 市教委であった交付式で、玉津博克教育長が、窯跡の土地を所有する宮良善久さん(52)=新川=に指定書を交付した。


 玉津教育長は「黒石川窯跡は、宮良さんのおかげでしっかり保存されてきた。文化財としての利用だけでなく、石垣の陶芸発展のため活用したい」と述べた。宮良さんは「発掘調査で多くの出土があり、驚いた。文化財に指定され喜んでいる。歴史や文化を知る場所として活用してほしい」と期待している。石垣市の文化財指定は、無形・有形合わせ76件となった。