不法上陸 次回は阻止を 国の購入 信頼できず 避難港設置など都に要請 尖閣問題で中山市長

インタビューに答える中山市長=22日午後、市役所
インタビューに答える中山市長=22日午後、市役所

 香港の反日団体メンバーの活動家が尖閣諸島(石垣市登野城)の魚釣島に不法上陸して1週間となった22日、八重山日報社は、中山義隆市長に尖閣諸島問題に対する考え方をインタビューした。

 

 ―香港の活動家の不法上陸をどう思うか。
 「本来なら不法上陸は止めるべきだった。上陸させてしまったあとに、不法入国だけで、強制退去で処理してしまったことには非常に不満が残る。逮捕から2日後という超短期で出してしまった。その後の香港、中国での報道や本人たちの言動を見るにつけ、もう少し毅然とした態度で慎重に捜査し、対応するべきだった」


 ―活動家は帰国後に英雄扱いされていたが、それを見てどう感じたか。
 「中国漁船衝突事件の船長が帰国するときにVサインして飛行機に乗り込み、向こうに着いて英雄扱いされたのと同じだ。映像を見ていい気持ちはしなかった。日本の対応のまずさが露呈した」


 ―活動家は10月に再上陸する意向だが。
 「今度は絶対に上陸させてはいけない。上陸を試みて日本の領海に入ってきた場合は、領海に入った時点で不法入国として逮捕し、処罰の対象として厳正に取り扱ってほしい」


 ―尖閣諸島問題に対する従来の日本政府の対応をどう思うか。
 「かつて鄧小平(とう・しょうへい)さんが、尖閣については後世の人たちに解決を任せようと言った。それに日本政府も乗って、これまで問題の棚上げ論で進めてきた。その結果として今、中国が尖閣に対して核心的利益と発言したり、公船で領海侵犯してくる状況になってしまった。40年前に決着をつけておくべきだった。これから先も同じように棚上げしていくと、5年後、10年後に禍根を残すことになる。現時点のリーダー、政治家が、しっかりとした判断で、日本の領土である尖閣をどのように守るか、明確に行動を起こすべきだ」


 ―東京都の購入計画についての考えは。
 「賛成だ。国有化の話もあるが、市が固定資産税の調査や環境調査などで上陸を求めても、政府は上陸を認めないと言い続けてきた。その姿勢の国が所有権を持っても、上陸は今以上に困難になる。国の購入については今のところ信頼していない。もし国が国有化に本気で動くなら、その前に灯台や無線基地の整備をするなどの作業に入ればいい。都には、購入後に緊急時の避難港設置、灯台の整備、漁業無線の中継局設置、野生化したヤギの駆除などを行うよう要請している。都知事は、私たちが希望していることは前向きに検討して、一緒にやっていきたいと話している。都が購入したほうが(市にとって)得策だ」

 

 ―中国の反発が強まった場合、観光に対する影響が懸念される。
 「影響が全くないとは言い切れないが、経済的な損失を恐れて、自国の領土について明確な主張を控えるようなことがあれば、今後さらに事態は悪化する。領土に関する問題と経済問題、人的交流については全く別物と考え、堂々と対応していけばいい」


 ―日本人10人の上陸をどう思うか。
 「衝動的、突発的なことだったと思う。香港の活動家の上陸がなければ、そういう行動もなかった」