本当の意味での「観光立市」を目指すために④ 辻 維周

 本稿1回目にJTA石垣空港の英文サインボードに対する提言を書いたところ、JTA石垣空港副所長はすぐに社内メールで全社員に対し、この提言を早速実行に移すことを検討するように指示したとのこと。このアクションの速さはさすが「うちなーの翼」を自負する航空会社だけのことはある。


 私は仕事の関係上、毎週のように石垣~那覇~羽田を往復しているが、JTA石垣空港のきめ細かなサービスには感心させられる事が多い。その中でも特筆ものは、那覇から到着する初便にあたる600便と、その折り返しの601便では毎日、空港職員のみならず、管理職、整備士など総勢十名ほどのお出迎えとお見送りを行う事である。このようにきめ細かなサービスが乗客の心をくすぐり、またJTAで石垣に来ようと思わせる大きな要素となっている。


 しかし一方では、那覇~宮古線にスカイマークが参入するようになってからと言うもの、那覇~宮古線の運賃と、那覇~石垣の運賃の格差が問題になっている。確かにスカイマークの那覇~宮古間の運賃三千円(通常期)に合わせるように、JTAも先得割引で三千円台を打ち出している。しかしこの無理な低価格がJTAの体力を奪い、はては那覇~石垣の値引きを迫られる事態になってしまっていることは、本末転倒と言ってもいいだろう。


 JTAはれっきとしたFSA(フルサービスエアライン)であり、FSAではないスカイマークと一線を画すのは当然である。たとえば遅延が発生した場合、きっちりとしたケアをする航空会社(特に離島路線では乗り継ぎの関係でこのケアは非常に重要)と、そうではない航空会社とでは運賃体系が違って当然であり、乗客もそれを納得したうえで選択しなくてはならない。今後新石垣空港にスカイマークが参入した場合においてもJTAは自分のスタンスを堅持し、自らの首を絞めるような運賃設定は控えるべきである。また現空港でおこなっている離島ならではのきめ細かなサービスも、継続できるものは継続していただきたいと切に願う次第である。


 また石垣空港の観光案内所は、今年の春よりタッチパネル方式の無人案内機を導入した関係からか、職員を三人から二人に減らすと同時に、営業時間も従来の午前九時から最終便までではなく午後六時までとしたが、これは合理化と言う名のサービス切り捨てである。空港に行くたびに観察していると、タッチパネルを使っている人をあまり見かけることは無く、やはり案内所に足を運び、様々な質問をしている姿の方が目立つ。ここは、英語は当然のこと、多くの言語を話せる有能なスタッフを配置しているので、外国人にも好評である。


 空港や離島桟橋では、融通が効かない機械よりも人間が応対する事によって、その観光地の印象がよくなることも多々あるので、今後は無理な合理化をすることなく「人間」の温かみを感じさせるゲートウエイであってほしいと切に望む次第である。それが「観光立市」たるべき第一歩ではないだろうか。(本紙論説委員)