「雪の中で頑張った」 祖母のシゲさん 涙ぐむ

試合終了後、タオルで涙をぬぐいながら知人からの電話に答えるシゲさん=桃里の自宅で
試合終了後、タオルで涙をぬぐいながら知人からの電話に答えるシゲさん=桃里の自宅で

 「暑いところから行って、雪の中でよく頑張った」。甲子園球場で23日、開かれた夏の全国高校野球決勝。史上初の春夏同一カードとなった大阪桐蔭と光星学院(青森)戦。光星学院の一番ライトで出場した天久翔斗選手(3年)=登野城出身=の祖母シゲさん(82)は自宅で、孫の翔斗選手を懸命に応援。悲願の東北勢初Vはならなかったものの、涙を浮かべながら、テレビの向こうの孫をねぎらった。


 翔斗選手は、平真小から石垣第2中を経て、自ら希望して、石垣島から2300㌔以上離れた東北の光星学院に進学した。甲子園には1年生の時から1番ライトで4季連続の出場。この日の決勝戦は、史上初の大阪桐蔭と2度目の顔合わせとなった。


 翔斗選手は、桐蔭のエース197㌢の藤浪晋太郎投手にノーヒットに抑え込まれたものの、守備ではきびきびとした動きを見せ、強肩も披露した。試合は0―3で惜敗。初Vはならなかったが、光星学院は3季連続の準優勝。翔斗選手は高校最後の長い夏を終えた。


 翔斗選手が少年野球をしていたころから応援を続け、野球に詳しいシゲさんは、テレビに向かって応援。翔斗選手の打席では立ち上がり「打ってー」と手を叩くなど懸命にエールを送り続けた。


 9回表。光星学院の最後の打者が打ち取られると、シゲさんは深く嘆息。タオルで顔を覆い涙をぬぐった。「翔斗は思いやりのある子。3年間、ばあちゃんにたくさん甲子園の試合を見せてくれた。でも、一度は優勝させてあげたかった…」と言葉をつまらせた。


 甲子園では両親の朝俊さん(52)と信笑さん(51)ら家族5人も応援、翔斗選手の甲子園最後の雄姿を見守った。シゲさんは「翔斗は雪の中でも3年間練習を続けた。本当に良く頑張ってくれた。次に、翔斗が石垣に帰るのは正月。好物の『ニラのてんぷら』をたくさん作ってあげたい」と涙をふき、遠い甲子園の孫に思いをはせた。