社会から差別、偏見をなくそうと…

 社会から差別、偏見をなくそうと、石垣市の小中学生がNPO主催の演劇公演に出演することになり、稽古に励んでいる。27日付本紙の1面では、出演者の中学生が通し稽古で熱演し「見る人に愛情を伝えたい」と意気込んでいる様子が紹介された◆隣の記事では、同じ日、中国で10代中心の若者たちが尖閣諸島の領有権を主張するデモに参加し、興奮した様子で日の丸を燃やす写真が掲載された◆一方は愛、一方は憎しみ。日中の若者はほぼ同世代だが、どちらが青春のエネルギーを建設的に使っているのか、改めて言うまでもあるまい◆中国の若者は、独裁体制に対するやり場のない怒りを尖閣問題にぶつけているようだ。だが、根底にあるのは歪んだ愛国心であり、一方的で異常な歴史観だ。それに対し石垣市の若者は、多様な価値観が共存する社会で伸び伸びと育った。双方の若者の姿は、民主国家と独裁国家の違いを象徴的に示している。離島苦は存在するが、世界に目を向ければ、現在の八重山がどれだけ恵まれた環境にあるか実感させられる◆共存共栄が得策なのは、子どもにも分かる理屈だ。若者は未来の日中友好を担う。日中双方、とりわけ中国の若者には、もっと広い視野と知識を持つよう望む。