学力向上へ大きな前進 関係者の意識に変化

全国学力テストの結果を発表する玉津教育長=29日午後、市教委
全国学力テストの結果を発表する玉津教育長=29日午後、市教委

 全国学力テストで、石垣市の平均正答率が10科目中、過去最多の6科目で県平均を上回った。県内最高水準の学力向上を掲げた玉津博克教育長が、就任3年目で一定の成果を上げたといえる。玉津氏は「これまでは学力向上の成功体験がなかった。取り組めば成果が出ることを県内全体にアピールしたい」と強調しており、さらなる学力向上に弾みがつきそうだ。

 

 石垣市の学力低迷は近年、大きな教育課題となってきたが、2010年の市長選で、初めて市政の課題としてクローズアップされた。玉津氏は中山義隆市長から学力向上への期待を託され、現職校長から教育委員に「抜擢(ばってき)」された経緯がある。


 目標を学力向上の1点に絞った「冠鷲プロジェクト」は11年4月からスタート。具体的には、各学校で①朝の始業時間前の「帯タイム」と呼ばれる時間を学習時間に充てる②放課後に、部活動が始まるまでの時間を学習時間に充てる③退職教員に依頼し、夏休みを利用して子どもたちを指導してもらう―などといった取り組みを進めてきた。


 すべてが直ちに学力向上につながったとは言い難いが、市教委が真剣に学力向上に取り組む姿勢は学校現場にも伝わった。崎山晃学校指導課長が「(学力向上の)気運を高めたことが一番のポイント」と指摘するのは、関係者の意識の変化を指している。


 09年の全国学テでは全教科で県平均を下回っていたことを考えると、今回の結果は大きな前進。ただ、小6と中3の全員参加方式だった09年に比べると、今回は参加校が限定された抽出方式に変更されており、結果の精度が低下していることは否めない。


 昨年の全国学テは東日本大震災で中止されたが、10年度の全国学テについて市教委は「石垣市からは中学生が23人しか受けていないため、結果を公表しなかった」と述べた。抽出方式では、児童生徒の学力実態を把握するという全国学テの趣旨が必ずしも生かされない。全員参加方式から抽出方式へ切り替えた民主党政権の政策変更が「失態」だったことが、石垣市でも改めて浮き彫りになっている。(仲新城誠)