「尖閣、充分に居住可能」 7ヵ所の水場確認 ヤギの食害深刻化も 調査団会見

石垣港で記者会見する都の調査団(2日午後11時ごろ)
石垣港で記者会見する都の調査団(2日午後11時ごろ)
尖閣諸島の調査を終え、石垣港に戻った都の調査船(2日午後10時過ぎ)
尖閣諸島の調査を終え、石垣港に戻った都の調査船(2日午後10時過ぎ)

 尖閣諸島を洋上から調査した東京都の調査団は2日夜、石垣港ターミナルで記者会見した。海洋専門家の山田吉彦東海大教授は、魚釣島で6カ所、北小島で1カ所の水場を確認したことを報告し「充分に居住空間を作れると感じた。非常に重要な島だと再認識した」と指摘した。自然環境専門家の小城春雄北海道大名誉教授らは、ヤギによる植物の食害、地盤の崩落が進んでいることも明らかにした。調査団は都に戻ったあと、班ごとに報告書を作成する。

 

 調査団によると、石原慎太郎都知事は、零細漁民のための船だまり、有人の気象観測施設、無線中継基地設置の適地があるか確認するよう指示した。調査団長の坂巻政一郎尖閣諸島調整担当部長は「データを充分に分析した上で判断したい」と述べた。


 山田教授は、尖閣諸島の水場について「小さい滝のようなものが、岩盤からにじみ出るように流れている。水場があることが分かると、ある程度の居住空間を作れることが想定される。生態系のバランスを考えながら、土地開発も視野に入る」と述べ、上陸して詳しい調査を行う必要性を強調した。尖閣諸島の調査が長年行われてこなかったことについて「今回の調査は、もっと早くやるべきだった」と批判した。


 市は職員2人を調査団に派遣した。このうち吉村乗勝企画部長も「尖閣諸島は石垣市の行政区域。足や目で確認するのは非常に大切。国、県、市がそれぞれ、何ができるか検討しないといけない。上陸すれば、それなりのものも見えてくる」と上陸調査の必要性を訴えた。


 ヤギの食害が深刻化していることを報告した小城名誉教授は「魚釣島にはかつて、数万頭のアホウドリがいた。ちゃんとヤギを駆除して、島の環境を整備すれば、アホウドリの巣穴を回復する可能性が出てくる」と期待した。
 都の大井泰弘知事本局理事によると、都が負担した調査船のチャーター費用は約2500万円。