人気、戦略の両輪そろう 川満氏、西表で優位

 【解説】竹富町長選で、現職の川満栄長氏が1427票を獲得し、再選を果たした。1455票を獲得した前回2008年の町長選から、引き続き1400票台を維持。西表島を中心に、有権者の根強い「川満人気」をうかがわせた。選挙戦直前には、これまで否定していた役場移転の住民投票実施を打ち出したが、有権者からは方針転換も好感を持って迎えられた。候補者の人気、戦略の両輪がそろった選挙戦だったと言える。


 竹富町は多数の離島で構成されるが、西表島の有権者だけで有権者全体の58%を占めており、今選挙では西表島が決戦場。候補者3人がいずれも西表島出身だったのも、こうした事情が背景にある。川満氏は選挙前から役場移転の早期実現を訴え、移転先である西表島東部を中心に早々に支持を固めた。温厚、気さくな人柄で有権者の好感度も高く、初当選した4年前の支持基盤を、ほぼそのまま維持できたことも大きかった。


 得票数から推定すると、川満氏は西表島で6割以上の得票を確保した可能性がある。選挙戦直前には町政の失態が次々と報じられるアクシデントもあったが、責任を認めて迅速に謝罪することで「火消し」に成功した。

 

 住民投票に関する方針転換も、西表島の有権者に関しては、ほとんど影響がなかったことがうかがえる。むしろ、役場移転に不安を抱く他の島の有権者の支持離れを防ぐ効果があり、戦略が的中した形だ。町長選では過去、現職が3期連続して敗退してきたが「2期目の鬼門」のジンクスも久々に破った。


 ただ、町議会では12人中8人が野党で、2期目の町政運営は険しさを増す。川満氏は「2期目で役場移転実現」を掲げるが、住民投票の結果が町長選と直結するとは限らない。2期目は人柄の魅力だけでは乗り切れない問題に直面しそうで、1期目以上に川満氏の政治手腕が問われる。(仲新城誠)