本当の意味での「観光立市」を目指すために⑧ 辻 維周

 読者の方から「名蔵湾沿いを走っていると、トイレが無くて困る事があるので、それについて取り上げて欲しい。」というリクエストがあったため、ソーロン明けの日曜日に、早速取材するために島を一周してきた。

 

 確かに市内から川平までの距離は約二十キロで普通に走れば四十分ほどで到着できるが、観光客や観光タクシーの場合、あちらこちらの景色を楽しみながら走るため、その倍以上の時間がかかる事がある。しかし市内を出ると海側経由の場合には唐人墓、バンナ経由の場合にはバンナ南口を過ぎると名蔵湾までパーキングらしきものは一か所も無く、名蔵湾沿いに出ても県道79号線には単なるパーキングは崎枝を含めて五か所あるものの、そのいずれにもトイレは設置されていない。更に北上すると川平駐車場には設置されてはいるものの、川平から玉取崎までの間には県道から少し離れたヤシ林以外、一か所もないことがわかった。


 また国道390号線を北上した場合は更に悲惨で、市街地を出るとやはり玉取崎展望台まで星野と伊野田にはあるものの、観光客にはわかりづらい。玉取崎を出て平久保半島に入ると平久保灯台まで明石一か所しかなく、ここも比較的わかりづらい。一方於茂登岳周辺ではせっかく整備された於茂登親水広場にも、於茂登トンネル北口広場にもトイレは設置されておらず、切迫した表情をした人にも出会った。

 

 親水広場に一番近いトイレはナルンガーラにあるが、そこまでの道のりは容易ではない。さらに屋良部半島の道にはパーキングは数か所あるものの、トイレは御神崎灯台にしかないので、私自身困ったことがある。


 トイレの印象は観光客にとっても非常に重要であるので、市が本気で観光立市に取り組むのなら県道79号線では名蔵湾沿いに1か所、吹通川パーキングに1か所、平久保半島内では久宇良付近に一か所、国道390号線では宮良川パーキングや盛山か大里付近の国道沿いに1か所、あとは於茂登親水広場とトンネル北口広場、屋良部半島のパーキングにそれぞれ1か所ずつ、「バイオトイレ」を設置することが望ましいのではないだろうか。


 問題はその維持管理と費用負担であろうが、新たな雇用創出にもなって来ることでもあるので、市議会で十分議論の上早急に設置をしていただきたいものである。


 ※バイオトイレとは排泄物をバクテリアで分解し、それを肥料として再利用できる設備を有するトイレ。これからの循環型社会には必要なものであろう。(本紙論説委員)