創作劇 「鳩間島むかし」上演へ 出演者けい古に熱

本番を前にけい古に熱がこもる出演者=八重山平和祈念館
本番を前にけい古に熱がこもる出演者=八重山平和祈念館

 戦争の悲劇をテーマにした朗読・創作劇「鳩間島むかし」上演を前に出演者が石垣市内で連日、けい古に汗を流している。舞台は「殉職・千鳥」の2話で構成。戦時中の鳩間島を舞台に、機銃掃射で死亡した校長とマラリアで家族を失った少女の物語を重ね、平和の尊さを訴える。主催する八重山戦争マラリアを語り継ぐ会は「戦争とマラリアの悲劇を伝えるため、多くの人に舞台を見てほしい」と呼び掛けている。

 

 「鳩間島むかし」は、和歌山県在住の劇作家・栗原省さんが脚本を手掛けた。栗原さんは、戦争マラリアをテーマに2005年に「ハテルマ・ハテルマ」を和歌山市で初演、以来公演を重ね、石垣市でも上演し好評を得た。八重山の戦争を描く舞台は2度目になる。


 朗読劇「殉職」は、戦前の教育指針・教育勅語の証書を守るため米軍機の機銃掃射を浴び、亡くなった宇江城正喜校長を描く。創作劇「千鳥」は、家族6人をマラリアで失った少女の物語。実話を基にした2話で戦争の現実を浮き彫りにする。劇中、石垣在住の鳩間郷友会会員が「鳩間中森」も披露する。


 出演・スタッフは「語り継ぐ会(玉城功一会長)」の会員ら31人。5月中旬から石垣市内で、場所を変えながらけい古を続けている。6日は、出演者が八重山平和祈念館に集まり、本番が迫る中、演技に磨きを掛けた。「千鳥」で少女の父親を演じる西村幸吉さん(65)=真栄里=は「本格的な芝居は初めて。セリフの言い回しが難しい。芝居を通して戦争マラリアの悲劇を伝えたい」と意欲をのぞかせる。


 少女役の慶田盛京子さん(64)=登野城=も芝居は初めて。「平和教育に関心があり、『語り継ぐ会』に入った。セリフを覚えるのが大変だが、セリフに込められた、平和への思いを伝えることができれば」と期待を込めた。演出も担当する栗原さんは「重いテーマだが、歌や踊りも交え、楽しみながら戦争を伝える舞台にした。心を打つ内容なので、多くの人に見てほしい」とアピールする。


 公演は16日午後7時から、石垣市民会館で。入場料は一般980円。中・高校生500円。小学生以下無料。