島のシンボル 辻 維周

 宮古・八重山諸島には様々な希少生物が生息しており、国の特別天然記念物であるカンムリワシや、キシノウエトカゲのように世界中どこを探してもここでしか見られないものもいる。ところが多くの観光客は「カンムリワシ」や「キシノウエトカゲ」の名前や存在すら知らず、他方イリオモテヤマネコやヤンバルクイナが石垣島を歩き回っているものだと思っている。


 カンムリワシは石垣、西表それぞれに百羽ほど生息していると言われているが、人が足を踏み入れられない場所も多数あるため正確な数は不明である。また彼らは動きが鈍く道路上にあるロードキル死体を食べに降りているときに、無謀運転の車に轢かれてしまう事もあるので、我々はこのような二次被害を防止するために、ロードキル死体を極力道路外に排除するようにしている。しかしながら国の特別天然記念物でもあり、貴重な観光資源ともなり得る鳥ではありながら、あまり周知されていない彼らをもう少し全国レベルにまで有名にさせるためにはどうすればよいのだろうか。


 最良の方法は来年三月七日に開港する新石垣空港のシンボルであるカンムリワシを基調にしているパイーグルを徹底的に利用することであろう。あの少し悪そうな面構えは、うまくPRすれば必ず全国的な人気者になるはずである。たとえば「うちなーの翼」であるJTAや、最近路線拡充に努めているANAに協力を依頼して、マブヤージェットやポケモンジェットのように、機体にパイーグルの大きなシールを貼り付けて「カンムリワシジェット」として、内地に飛んで行ってもらうのである。

 

 特に三月七日新石垣空港に飛んでくる内地発の初便にこの機材を使っていただければ、話題性も増すので一挙両得であろうと考える。ぜひ早急に関係諸機関に検討をお願いしたいものである。ただカンムリワシが有名になりすぎると、逆に密猟をしたり、彼らを追いかけまわしたりする不心得者が増えてくる可能性もあるので、その対策は予め講じておく必要があるだろう。


 石垣にはこれだけ立派な島のシンボルがいるのだから、島民はこの事実を誇りに思い、イリオモテヤマネコやヤンバルクイナに負けないほどのPRと保護活動とを行っていただきたい。朱鷺のように絶滅してから騒いでも後の祭りである。(本紙論説委員)