〝尖閣〟商標で初出荷へ きょう漁協セリ参入 漁業活動で「実効支配強化」

株式会社尖閣が取得した「尖閣」商標
株式会社尖閣が取得した「尖閣」商標

 「尖閣」の商標権を活用し、八重山近海で釣った魚類の販路拡大を目指している株式会社尖閣(石垣市真栄里、高江洲正一社長)が10日、初出荷に向けて、八重山漁協セリに参入する。同社関係者が尖閣諸島周辺で釣ったアカマチなどを高値で競り落とす計画で、この日は事実上、漁業者に対し、尖閣諸島周辺で漁をするよう促すデモンストレーションになる。競り落とした魚は外箱に商標シールを貼り、東京の築地市場に出荷する予定という。高江洲社長(45)は「販路拡大のめどはついている」とした上で「尖閣諸島周辺で漁をすることが、実効支配の強化策にもなる」と期待した。同社の商標権取得に対し、異議を申し立てている八重山漁協は当面、同社の活動を静観する構え。

 同社は4月に設立され、現在役員は高江洲社長ら4人。「尖閣」の商標権を前所有者の個人から6月に譲り受けた。商標登録は尖閣諸島への上陸を繰り返している市議の仲間均氏を中心に進められ、仲間氏は監査役として同社の経営に関与している。同社が尖閣諸島周辺で釣った魚を「尖閣ブランド」として出荷する意向を示したところ、すし店など数社から引き合いがあったという。


 尖閣諸島周辺は石垣島などからの距離が遠く、燃料費がかさむため、必ずしも漁が活発とは言い難い現状。高江洲社長は「漁民には、尖閣周辺でもっと漁をしてほしい。尖閣周辺の魚がたくさん流通できるよう頑張りたい」と強調。あえて漁協のセリを通し、高値で魚を買い受けることで、漁協の活性化にもなるという考えを示した。


 高江洲社長は市内で刺身店を経営しており、セリの参加資格を持つ。セリには高江洲社長の個人名義で参加する。10日を皮切りに、継続的にセリに参加し、漁民に尖閣周辺での漁業を促す意向。商標シールには、登録された商標のほか「一口食べて尖閣を守ろう!」というキャッチコピーが記されている。


 仲間氏は「商標登録したことで魚の値段が高くなれば、漁民の生活の安定と向上につながる。尖閣周辺だけでなく、八重山の近海で獲れた魚は尖閣ブランドで売り出したい」と、一層の販路開拓に意欲を示した。八重山漁協は、商標は本来、漁協が持つべきだと主張しており、商標権が個人から同社に移る前、特許庁に異議申し立てした。市も異議申し立てにかかる弁理士費用に助成金を支出するなど、漁協をバックアップしている。

 

 同社が商標権を活用して魚を初出荷することについて、上原組合長は「現時点では(同社に)商標権が認められているのでしょうがない。異議申し立ての判断を見守るしかない」と話した。