猛暑が続く中、街を行き交う人々も…

 猛暑が続く中、街を行き交う人々も、うだる暑さの中、陽炎となって揺れて見えていたが、ツバメの飛び交う秋の訪れとともに熱帯夜から解放され、いくぶん過ごしやすくなった◆先月30日から今月1日までは旧盆で、ソーロン台風が近づく中、市場やスーパーは旧盆用品を買い求める客でごった返した。同じ賑わいでも、正月のせわしさと旧盆の忙しさは、どことなく違う。並んでいる品物のせいだろうか◆沖縄にとって旧盆は特別の日だ。本土に進学、就職したりすると「正月に帰れなくてもお盆には必ず帰ってきなさいよ」と老いた父母や親類から言われたものだった。先祖を崇拝する精神だろう◆本土からの航空便が満杯で、キャンセル待ちになっていると聞くたびに、帰る人は大変だろうが、ある種の安堵感をおぼえる。この日ばかりは、みんな楽しそうに古里を目指し、わが家を目指す。手に一杯のお土産を抱え込んで、空港ロビーに降り立つ光景は、なぜかうれしい。久しぶりに再会する家族が、今か今かと待ち受けている◆大都会では、大人社会もお隣同士も、どこかよそよそしく、温かみが薄れつつある。旧盆は貴重な時間である。先祖を前に、家族と互いの絆を深めあう、またとない時間と空間がある豊かな島だ。