石垣市の児童生徒の学力向上を喜ぶ㊦ 徳松 信男

▽冠鷲プログラム実施の成果
 八重山で今大事なことはまず小、中学校の生徒の児童生徒の学力向上である。市の教育委員会の提案している冠鷲プロジェクトは蔭山英男氏が開発し、多くの学校で実証されたものである。石垣市教育委員会の提唱しているのは読み書き、音読計算の反復学習である。これは影山方式のモジュール授業(モジュールはまとまった小部分の意)で「朝一番の45分の授業時間を15分ずつ3つに分けて、読み、書き、計算の基礎を反復練習する事によって集中力(脳の活性化)や基礎学力をつけようとする取り組みである。


 それに児童生徒の基本的生活習慣の確立である。「早寝、早起き、朝ごはん、家族団欒」がそれであり、テレビ視聴時間を短くして、家庭学習時間を、30分を超えて1時間、1時間半と少しでも伸ばすような取り組みである。目安は15分×学年である。


 今般の学力向上の成果で従来と変わった点がいくつかある。これまでも学力向上推進委員会があったが、教育委員会の指導課中心であった。主な改革点は①学校指導課といきいきまなび課が中心となり学力指導にあたっている。②校長と職員が一致団結して学力向上に取り組んだ事。③朝のモジュール学習時間をとりいれた事。④教育長、課長以下7、8人が参加して夏休みに学校現場の先生方との意見交換会を18校にわたって行った事。⑤学力とは学ぶ力であり、記憶力や知識の量は学力の一側面にすぎないという従来のゆとり教育路線を廃した事。⑥新市長になり予算が倍増した事等であるとのことである。


 また真喜良小学校では平成14年からフロンティアスクールを行い、学力面においてかなりの成果を上げたが、これは影山方式によるものであったそうである。石垣市でも小規模校数校においては以前から、すでに全国平均以上か、或いは大幅に上回っているのである。


 学力向上には学校現場の教員を始め教育関係者が一体となって進めることが大事である。家庭にあっては良い生活習慣の連鎖反応が必要だ。蔭山氏の著書を読んで興味あるのは、学力が伸びれば知能指数も伸びると言う事である。また勉強が楽しく、大切であると思える生活習慣が家庭において必要であると強調される。その点で私は父兄が放送大学の学生になって家庭で学ぶ姿勢も一石二鳥であると思う。大いに推奨したい。


 ところで昨年(平成23年度)、八重山地区中学公民の教科書選定問題で揺れに揺れた。八重山毎日新聞の平成23年9月7日付け社説では、「県内上位はもはや無理か~玉津教育長の冠鷲事業、教科書問題で困難に~」との見出しで教科書採択に対する教育長の強引な手法のため教育関係者始め地域が一体となる推進体制が望めなくなったために県内上位の学力向上は同教育長の「自業自得」でもはや無理との見方を伝えている。それどころか県紙2紙を始め方々で玉津教育長は集中砲火を浴びていた。よくノイローゼにも病気にもならず、出勤拒否もせず頑張ったものだとそのしぶとい精神構造に多くの人が感心し、あるいはあきれたかもしれない。


 いまどきいじめの問題で登校拒否をする生徒も多いがこれにも自ら答えをだしている。教育長の卓話の最後に学力向上という難関を乗り切るためにパワーの源としたいと言って蔡温(江戸期琉球王国の政治家)の琉歌を紹介している。


「褒マリ謗ラリヤ世ヌ中ヌ倣イ 謗ラリヌ者ヌ ヌ役タチュガ」~褒められ、謗られは世の倣い謗られぬものが何の役に立つと言うのか~


 八重山の児童生徒の学力が県内最高水準になる日を待ち望んでいる。(本紙論説委員)