防火対策不備 危機感の欠如露呈 市教委 「検査きっかけに改善」 

 石垣市消防が実施した防火対策の立ち入り検査で、対象となった23校・園すべて何らかの不備が見つかった。学校現場は児童生徒の安全確保に最も大きな責任を負うだけに、予算措置を行う教育行政も含め、危機感の欠如が露呈した事態といえる。玉津博克教育長は、防火対策の強化に向け「今回の検査が一つのきっかけになった」と前向きに受け止め、関係規則の改正も含め、迅速に対応する考えを示している。

 

 学校で火災が発生した場合、現場に消火器がなかったり、火災報知機がバッテリー切れで作動しなかったりすると、避難が遅れ、大惨事につながる可能性がある。ある校長は、こうした消火設備の不備について「予算が伴うので、学校だけではすぐ対応できない。学校の怠慢だったとは言えないだろう」と話す。ただ、結果として子どもたちが「危険な状況」に置かれていた事実は否めない。


 こうした消防設備の維持管理に責任を負うのが有資格の防火管理者だ。教職員、児童を含め50人以上の規模の学校、30人以上の規模の幼稚園には配置が義務付けられているが、立ち入り検査では、配置済みの学校は対象となる20校・園のうち6校・園しかなかった。


 市教委の調査では、25小・中学校のうち、有資格者の防火管理者が選任されているのは12校だけだった。学校の管理について規定した小・中学校管理規則にも不備があった。校長は防火の責任分担を定めることとされているが、防火管理者の配置については明記していない。


 県が策定した県立高等学校管理規則では、各高校に対し、消防法に基づき、防火管理者を定めて消防長に届け出ることを求めている。石垣市では学校現場、教育行政の双方に対し、長年にわたる防火意識の甘さも指摘されそうだ。


 玉津教育長は、こうした防火対策の不備について「以前から分かっていた」と率直に認め「事前に防火管理者の実態などを調査して対応を検討していた。なかなか改善の糸口がつかめなかったが、今回の立ち入り検査が一つのきっかけになった」と説明した。


 小・中学校管理規則についても「早急に改正し、防火管理者を位置づけて、消防計画や避難訓練を充実させたい」と父母の不安払拭に取り組む姿勢を強調した。市消防は、今回立ち入り検査の対象にならなかった残り23校についても、冬休みなどを利用して順次、検査に入る方針。次回検査で、防火対策の改善がどれだけ進むかが、市教委の本気度を探る「試金石」になりそうだ。