鳩間島むかし上演 平和の尊さ訴え

朗読劇「殉職」で、出演者9人が台本を感情を込め読み上げ、当時の状況を浮き彫りにした=石垣市民会館
朗読劇「殉職」で、出演者9人が台本を感情を込め読み上げ、当時の状況を浮き彫りにした=石垣市民会館

 戦争の悲しみを訴える創作劇「鳩間島むかし・二話(八重山戦争マラリアを語り継ぐ会主催)」が16日夜、石垣市民会館であった。市民千人以上が詰め掛け、演劇を通した平和への思いを受け止めた。


 語り継ぐ会の公演は2010年の「ハテルマ・ハテルマ」に続き2度目。語り継ぐ会は今後もさまざまな企画で、戦争体験を継承していく方針だ。舞台は戦時中、鳩間島での実話に基づいた朗読劇「殉職」と創作劇「千鳥」で構成。


 「殉職」は、戦前の皇民化教育の指針「教育勅語」の証書を守るため、船上で米軍機の機銃掃射を浴び、亡くなった校長の物語。9人の出演者が一人づつ、関係画像を背景に台本を読み上げ、当時の教育の誤ちを浮き彫りにした。


 「千鳥」は、家族6人をマラリアで失った少女を主人公に、戦争の悲しみを静かに訴える内容。語り継ぐ会のメンバーが、4か月に及ぶ厳しいけい古で培った演技で、当時の状況を再現、観客の涙を誘った。舞台前、石垣在鳩間郷友会による「鳩間中森」も披露、「鳩間節」として知られる民謡の元歌で、島の豊かな文化の一端も伝えた。


 脚本と演出を手掛けた栗原省さん=和歌山=は「戦争マラリアの体験を風化させてはならない。今後は石垣島のマラリア体験を芝居化したい。学校での紙芝居や朗読にも取り組んでいく。世界では今でも、多数のマラリアの犠牲者がでている。マラリアから復興した八重山の体験を現代の課題としても、広く伝えていきたい」と活動の一層の飛躍を誓った。