「尖閣、子や孫に必要」 緊張の海域で操業 漁業者

 尖閣諸島周辺の接続水域で海洋監視船や漁業監視船隻が航行している19日、魚釣島周辺海域で第11善孝丸(名嘉全正船長)と、ZENKOUMARUⅡ(名嘉秀三船長)の2隻の漁船が操業を行い、20日零時ごろ石垣港に帰港。本紙の取材に応じた。


 この日、中国側が、尖閣諸島から270㌔の海域で中国漁船七百隻が操業開始したと報じたなかでの操業。「尖閣としては、とても波が穏やかで魚釣島には霧がかかり見通しが良いとはいえない天候だった」と同日の諸島周辺の天候状況を語る。


 魚釣島周辺の漁場に到着したのは19日の夜明け前、海上保安庁の巡視船にサーチライトを浴びせられ、海域の緊張度を感じた。巡視船「みづき」からゴムボートがやってきて保安庁の職員が善孝丸に乗船。船内の調査が行われ、「島から1マイル以内に近づかないで」と指示を受けた。その後も巡視船が並走し、厳しい監視を受けた、空にはジェット機やヘリコプターが飛来した。


 「中国船に上陸はもちろん、日本の領海内への侵入も許して欲しくない。尖閣海域は子や孫の代に必要になる漁業資源を有している貴重な海域」と諸島海域の重要性を強調した。


 ZENKOUMARUⅡの名嘉秀三船長は中国漁船団が領海に入ってこない状況について「漁が解禁されたばかり、純粋な漁船ならば母港に近い場所から漁を始めるほうが効率が良く、いきなり遠出をするリスクは犯さないはず」と分析。これからの動向について「漁場を食いつぶせば、次第に遠出する。漁船を装った船ならいきなり領海に侵入するだろうが、漁が目的の船なら領海への侵入は少し先ではないか」などと、漁業者ならではの分析。


 諸島への避難港整備については「大きな港はいらない、かえって中国船の避難に使われる。八重山の漁船が入港できる小規模な港を整備して欲しい」と要望した。最近の尖閣海域について「実際に不法操業が目立つのは中国船より台湾漁船。クロマグロの時期(4~6月)には台湾船のライトが島の夜景に見えるほどの数だった。きょうも台湾船が現れ、海保に追い返された。尖閣のマグロは台湾船に食いつぶされる」と現状を訴えた。