中国修学旅行が中止 尖閣、民間交流に影響 「生徒の安全最優先」 八商工

修学旅行の行き先変更と保護者会の開催を伝える八重山商工の通知文
修学旅行の行き先変更と保護者会の開催を伝える八重山商工の通知文

 尖閣諸島(石垣市登野城)の国有化をめぐり、中国で反日感情が高まっていることを受け、県立八重山商工高校(友利成寿校長)観光コースは26日までに、来年3月に予定していた中国への修学旅行を中止した。同校は「大変残念だが、あえて危険な場所に行くことはできない。生徒の安全を最優先に考えた」(仲宗根勝教頭)としている。修学旅行は行き先を変更する方針で、27日に保護者会を開き、意見交換する。中国への修学旅行は過去5年間実施されてきたが、中止されるのは初めて。尖閣諸島問題が、八重山の民間交流にも影を落とした形になった。

 同校観光コースは中国語を必修科目に取り入れるなど、国際的な人材育成を目指した教育を進めている。同校は県内で唯一、1987年からは台湾、07年からは中国で修学旅行を実施してきた。


 今回は来年3月10日から4泊5日の日程で、2年生14人が北京や上海を訪れ、万里の長城などを見学する予定だった。費用は1人当たり15万円。しかし尖閣諸島問題を受け、中国では反日デモが頻発。保護者から懸念の声が寄せられるようになった。同校は今月18日、中国への修学旅行を中止する方針を固めた。


 仲宗根教頭は「中国では市民レベルでも反日感情が高まっている。修学旅行は6ヵ月後だが、問題が解決する見通しが立たない」と話す。行き先を台湾に変更することも検討したが、台湾からも抗議船が出港するなど、台湾情勢も不透明になっている。


 同校によると、県内の商業高校では具志川商業が米国ハワイ、中部商が米国サンフランシスコ、浦添商がシンガポール、マレーシアで修学旅行を実施している。


 今後について仲宗根教頭は「最終手段として国内もあるが、海外への修学旅行を中止するのは、国際的な人材育成の面からは時期尚早。他校の例を参考にしながら、保護者と意見交換して決めたい」と強調。中国に代わる海外への修学旅行先を模索したい考えを示した。27日を皮切りに保護者会を数回開き、意見交換を重ねる予定。