台風一過の中秋の名月に…

 台風一過の中秋の名月に、とぅばらーま大会が開催された。各家庭では、こうこうと輝く月にお供えを添えて、願いを託したことだろう◆オオカミの心情をうかがい知るすべはないが、月に向かってほえたくなる気分に駆られたことはないだろうか。月には妖しい魔力が潜んでいるらしい。月は大昔から、人間の心をとらえて離さなかった。月の季語は秋。空気の澄んだ今が、1年で最も美しく、確かに、いつもより月が身近に感じられる◆太陽が西に沈むのを待ちかねたように、東の空に我が物顔で昇ってくる月のなんと大きいことか。幼年のころ、ぽっかり浮かんだ、どこか赤みの残る満月が目の前に迫ってきたのを見て「この世の終わりか」とびっくりした◆1969年7月、月に人類が一歩を記した。世界中が月からのテレビ中継に釘付けになり「ひょっとすると近い将来、自分も月に行けるかも知れない」と夢が一気に膨らんだことを思い出す。あの当時の夢からすれば、今ごろは月に宇宙基地ができていてもいいはずだった◆とはいえ、月のベールはしだいに剥がされ、その全容が明らかになってきている。とぅばらーまでは、月が最高に美しいのは十三夜だと歌うが、月から見た地球が最高に美しいのは、いつだろうか。