尖閣諸島の国有化に対し、マスコミの中には…

 尖閣諸島の国有化に対し、マスコミの中には「対中強硬派の石原都知事が購入するよりまし」「次善の策」などと歓迎する論評があったが、中国の激しい反発を見て、一斉に口をつぐんでしまった。誰が購入しようが「尖閣を強奪する」という中国の決意は何一つ変わらないのだから、認識が甘かったわけだ◆都が購入していれば、船だまりなどの港湾施設整備が早期に実現し、地元漁民の安全操業や所得向上につながる期待が持てた。八重山の住民にとっては結局、都の購入がベターだったという結論が出つつある◆衆院選後の次期政権には、単に尖閣諸島を実効支配するだけでなく、八重山のために活用を図る知恵もほしい。貴重な動植物を保全しながら世界に領有権をアピールする方法として、世界自然遺産登録を提唱する声もある。東海大の山田教授は海洋保護区の設定を求めている。いずれにせよキーワードは「保全」である◆専門家は、中国が尖閣を実効支配した場合、軍事基地を建設すると予想する。韓国に奪われ、コンクリートの要塞と化した竹島の姿は、いかにも暗示的だ。目的のためには環境破壊も辞さない「中国方式」ではなく、保全と開発の調和を図る「八重山方式」でこそ、尖閣は世界の宝として真価を発揮できる。