尖閣のアホウドリ撮影 専門家「今年も繁殖開始」

10月21日、尖閣諸島周辺の海面で撮影されたアホウドリ。背後に見えるのは南小島(仲間均さん提供)

 尖閣諸島(石垣市登野城)の南小島近くの海上で、国の特別天然記念物アホウドリが海面に浮かぶ姿が撮影された。アホウドリは絶滅危惧種で、最近では尖閣諸島周辺で撮影されるのは珍しい。アホウドリ研究で知られる東邦大理学部の長谷川博教授は「アホウドリは現在、産卵期に入っている。(写真は)今年も繁殖を始めたことを示す」と話している。

 

 アホウドリの写真は10月21日、南小島近くで釣りをしていた市議の仲間均さん(63)が撮影した。仲間さんは「尖閣諸島に18年間通っているが、アホウドリウの親鳥を見るのは初めて。びっくりした」と興奮気味だった。


 仲間さんによると、アホウドリは南小島から千㍍ほど沖に浮いていた。アヒルほどの大きさで、羽根を広げると1㍍20~30㌢ほど。仲間さんが釣りのためまいた餌を食べに来たらしい。


 アホウドリは、一般的に伊豆諸島の鳥島に生息する種が知られているが、最近の研究では、尖閣のアホウドリは鳥島の種とは遺伝的に異なった種である可能性が指摘されている。


 財団法人日本野鳥の会自然保護室自然保護グループの山本裕チーフは、写真を見て「現在では尖閣のアホウドリは、見る機会がほとんどなく、価値がある写真。鳥島のアホウドリとはたぶん別種だということで、鳥島とは別の位置づけで重要だ」と話す。


 南小島のアホウドリは1971年、70年ぶりに生存が再確認された。長谷川教授が2002年に実施した調査では、南小島と北小島で81羽の親鳥、繁殖前の若い鳥と33羽のヒナが確認された。


 長谷川教授は、南小島近くでアホウドリの写真が撮影されたことについて「翼に白い部分が多いことから、かなり年齢を重ねた個体。今年も、アホウドリが繁殖のために尖閣諸島に戻ってきていることを示す。最近では誰も(尖閣に)行っていないので、その意味では珍しい」と話している。


 長谷川教授は、南小島と北小島で現在、親鳥、幼鳥合わせて約400~500羽が生息すると推測している。


 アホウドリはかつて、北小島で大集団が確認されていたが、乱獲で減少。
 現在では北小島、南小島のほかは鳥島でしか生息が確認されていない。