尖閣寄付 770万円に 12月議会で基金設立へ 石垣市

 石垣市が尖閣諸島(登野城)の維持管理のため募っている寄付金は、13日までに409件で772万円余に達した。東京都の購入計画と歩調を合わせて6月に寄付口座を開設した経緯があるが、国有化決定後も寄付金の募集は継続。12月議会で寄付金を活用した基金を設立するための条例案を提案する。

 

 市ホームページでは、寄付金は尖閣の「適正な維持管理」に使用すると記載。具体的な内容として①尖閣と周辺海域の調査保全・活用②水産基盤(港など)の整備にかかわる調査―などを挙げた。


 尖閣諸島ではヤギの食害による環境破壊が懸念されていることもあり、市は上陸調査の必要性を再三訴えている。


 寄付金の使用目的である「維持管理」のためにも上陸は不可欠。しかし国は尖閣の領有権を主張する中国に配慮し、これまで政府関係者以外の上陸を認めていない。市議会野党からは「基金を設立しても使い道はあるのか」と疑問の声も上がっている。


 市企画政策課は「これまで国が上陸を認めなかった理由の一つに『地権者の意向だから』ということがあった。国有化されたことで、上陸を認めやすい環境になったのでは」と期待する。


 12月議会では尖閣諸島寄付金基金条例案を提案するが、野党には、条例案の提案に先立って寄付口座を開設したことに「都の購入計画に合わせてアドバルーンを上げたせいだ。事前に議会の同意を得るべきだった」(宮良操氏)との批判がくすぶる。


 基金が設立されても、衆院選後の政権が中国の猛反発を押し切り、市の上陸申請を認めるかどうかは見通せない。寄付者の善意を生かす形で寄付金を活用できるかどうかは、今後の日中関係や国内政局の行方にも影響される。


 寄付金は沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行、ゆうちょ銀行の口座で受け付けている。市ホームページには、寄付者に対する中山義隆市長の「お礼」を掲載している。